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俵物 たわらもの

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

俵物
たわらもの

長崎では「ひょうもつ」といった。江戸時代,長崎から輸出した海産物に詰めて輸出されたので,この称がある。初めは「いりなまこ」「乾あわび」の2品であったが,のち「ふかのひれ」を加えた。 17世紀末以来,長崎のおもな輸出品は銅であったが,18世紀なかばから銅が不足し対清貿易は俵物諸色 (しょしき) がこれに代った。幕府は各地に請負人を定め,長崎には俵物会所をおき,長崎町人に取扱わせたが,天明5 (1785) 年俵物請方を廃して俵物元役所を設け,役人を諸国に派遣して直接買入れを行なった。

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デジタル大辞泉の解説

たわら‐もの〔たはら‐〕【俵物】

俵に入れてあるもの。米穀や海産物など。
江戸時代の長崎貿易で、輸出品であった水産物のうち煎海鼠(いりなまこ)と乾鮑(ほしあわび)の2品をいう。のち、鱶鰭(ふかのひれ)を加えて3品とした。ひょうもつ。

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百科事典マイペディアの解説

俵物【たわらもの】

一般には俵詰にした米,水産物などを総称していうが,特に江戸時代長崎貿易で中国へ輸出された海産物のうち俵装したものをいい,煎(いり)ナマコ,干しアワビフカの鰭の3品。
→関連項目隠岐国

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世界大百科事典 第2版の解説

たわらもの【俵物】

いりこ,干しアワビ,フカのひれなどの海産物を俵に詰めて輸送したために起こった呼称。近世長崎貿易において中国貿易で銅代替輸出品として重要な地位を占めていた。これらの海産物は中国の高級食品として需要が多く,日本のみならず東南アジア,南太平洋諸地域でも生産され,中国市場へ輸出されていた。幕府は,はじめ長崎の中国貿易を金銀で決済していたが,その流出が著しく増加したため,1685年(貞享2)金銀に代えて銅を輸出することとした。

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大辞林 第三版の解説

たわらもの【俵物】

俵に入れたもの。
近世、長崎貿易の輸出海産物のうち、海参いりこ・熨斗鮑のしあわび・鱶ふかの鰭ひれの三品をさす。ひょうもつ。ひょうもの。

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世界大百科事典内の俵物の言及

【三陸海岸】より

…産業面では世界四大漁場の一つに数えられる三陸沖を舞台にマグロ,カジキ,カツオ,サンマ,イカ,サバ,イワシなどの漁業が盛んである。また古くから〈俵物(たわらもの)〉として輸出された海産物の産地の一つで,アワビ,ワカメ,コンブ,ホタテガイなどの養殖漁業も発達している。宮古,釜石,気仙沼,女川は全国屈指の水揚高をもつ漁港で,設備も整っている。…

【抜荷】より

…例えば武器は1634年(寛永11)輸出は禁止され,外国貿易での抜荷にあたる。俵物三品(いりこ,干しアワビ,ふかのひれ)は1785年(天明5)長崎会所以外の者が生産者から買うことは禁止されたので,それ以外の者と取引するのは国内貿易での抜荷である。この場合および次の(2)の場合は抜買ともいった。…

※「俵物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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