舶載鏡(読み)ハクサイキョウ

デジタル大辞泉 「舶載鏡」の意味・読み・例文・類語

はくさい‐きょう〔‐キヤウ〕【舶載鏡】

弥生古墳時代中国朝鮮半島から到来した銅鏡。→仿製鏡ぼうせいきょう

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精選版 日本国語大辞典 「舶載鏡」の意味・読み・例文・類語

はくさい‐きょう‥キャウ【舶載鏡】

  1. 〘 名詞 〙 中国で製作され、日本に輸入された古代鏡。狭義には前漢以降、六朝時代の鏡をさす。主として青銅製。彌生期の墓・古墳などから副葬品として出土

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「舶載鏡」の意味・わかりやすい解説

舶載鏡
はくさいきょう

弥生(やよい)、古墳時代、日本列島で製作した仿製(ぼうせい)鏡に対して、大陸から舶載した銅鏡をいう。弥生時代には、朝鮮半島製の多鈕細文(たちゅうさいもん)鏡を最初として、ついで、楽浪(らくろう)郡経由あるいは直接中国本土から、前漢の重圏鏡の類が、さらに後漢(ごかん)の方格規矩(ほうかくきく)鏡や内行花文(ないこうかもん)鏡などが舶載され、三国六朝(りくちょう)時代には、三角縁(さんかくぶち)神獣鏡をはじめとする銅鏡がもたらされている。しかし、その後は、遣隋使(けんずいし)・遣唐使の時代に舶載される隋唐鏡まで、中国鏡の舶載は中断する。

田中 琢]


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山川 日本史小辞典 改訂新版 「舶載鏡」の解説

舶載鏡
はくさいきょう

海外で製作されて日本に移入された鏡。弥生前期末に朝鮮半島製の多鈕(たちゅう)細文鏡が移入されたのをはじめ,同中期には連弧文鏡・重圏文鏡などの前漢鏡が,後期には漢中期や後漢の方格規矩(ほうかくきく)鏡・内行(ないこう)花文鏡などが,古墳時代には後漢の鏡や三角縁神獣鏡・画文帯(がもんたい)神獣鏡などがもたらされた。日本では,首長層の権威を示す儀器あるいは共同体の祭器として珍重され,弥生後期以降それを模倣した仿製(ぼうせい)鏡が作られた。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「舶載鏡」の意味・わかりやすい解説

舶載鏡
はくさいきょう

日本で出土する鏡のうち,中国で製作され日本に伝来したものをいう。弥生時代には精白鏡や明光鏡などの前漢の鏡,四神鏡内行花文鏡などの漢中期から後漢の鏡があり,古墳時代には神獣鏡画像鏡など三国・六朝時代の鏡が多数発見されている。

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