デジタル大辞泉 「個人向け国債」の意味・読み・例文・類語
こじんむけ‐こくさい【個人向け国債】
[補説]個人の国債保有を促進するため、平成15年(2003)3月に変動10年の発行を開始。平成18年(2006)1月に固定5年、平成22年(2010)7月に固定3年が導入された。原則として個人のみが保有でき、特定贈与信託の受託者である信託銀行や信託業務を営む金融機関も保有できる。
日本国政府が発行する債券で個人だけが購入できる。最もリスクが低い運用先とされる。1万円から1万円単位で投資でき、発行後1年経過すれば途中で換金可能。期間10年の金利変動型、期間5年と3年の金利固定型の3種類があり、半年に1回、利子をもらえる。年0・05%の最低金利保証があり、全国の銀行や証券会社、ゆうちょ銀行などで購入できる。個人が買える国債でも元本保証がない「新型窓口販売方式国債」とは区別される。
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出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報
個人のみが購入・保有できる国の債券(国債)。国がその信用力の高さを生かして元利払いを保証しており、もっとも安全な金融商品の一つといえる。固定金利型5年物と変動金利型10年物の2種類があり、半年ごとに利息が支払われる。通常、国債は機関投資家や個人が買えるが、個人向け国債は個人だけに限られており、一般の国債(購入は5万円から)と違って1万円から1万円単位で購入できる。四半期ごとに発行し、銀行や証券会社など金融機関の窓口のほか、インターネットでも購入できる。5年物は一般の5年国債から年0.05%、10年物は一般の10年国債から年0.8%を差し引いた金利を適用する。10年物は半年ごとに利子額が変わる。満期前の途中換金に国が応じるが、5年物で直前4回分、10年物で直前2回分の利息に相当する違約金をとられる。ただし5年物では最初の2年間、10年物も最初の1年間は解約できない。
日本では2003年(平成15)3月に初めて発行された。個人の国債保有比率はアメリカで10%台、イギリスでも10%前後に達している。一方、日本では民間金融機関と日本銀行など公的部門の保有比率が高く、個人保有率は2%台にとどまっていた。バブル経済崩壊後の経済対策で、大量の国債を発行した日本政府が国債の円滑な消化を目ざし、個人向け国債を発行した経緯がある。ただ2008年からの世界的な金融危機で長期金利が低下し、個人向け国債の販売が計画を大きく下回った。このため財務省は固定金利3年物の個人向け国債の発行を検討するなど、品ぞろえ強化を検討している。
[編集部]
出典 ASCII.jpデジタル用語辞典ASCII.jpデジタル用語辞典について 情報
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