内閣府の外局に設置された独立機関で、個人情報保護法やマイナンバー法に基づき業務を執行している。企業や行政機関への立ち入り検査や行政指導の権限を持つ。悪質性の高い違反行為には勧告や命令により是正を求める。委員長を含む有識者9人で構成し、専門委員もいる。実務は各省庁出身の職員らによる事務局が担う。
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個人情報の適切な管理と利活用を監督する政府機関。内閣府設置法に基づき、内閣府外局として2016年(平成28)1月に発足。英語の頭文字をとってPPCと略称する。公正取引委員会などと同じ独立性の高い三条委員会で、企業への立入検査や勧告・命令権限をもつ。マイナンバーの不正利用などを監視した特定個人情報保護委員会を改組・拡充し、行政機関だけでなく企業も含めた個人情報全般の保護・監督権限をもつ。縦割り行政の弊害を是正するため、各省庁にあった監督業務を一元化した。本部は東京都千代田区霞が関(かすみがせき)。委員長と8人の委員(個人情報、消費者保護、情報処理技術、民間企業、行政、地方行政などの学識・実務経験者)で構成する。委員長と委員は衆参両院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。任期5年で再任可能。初代委員長は一橋大学名誉教授の堀部政男(1936― )。
個人情報保護法(「個人情報の保護に関する法律」平成15年法律第57号)とマイナンバー法(「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」平成25年法律第27号)に基づき、個人情報保護に関する基本方針を策定し、官民あげての個人情報保護の取組みを推進する。行政機関や民間企業に指導・助言し、必要に応じて報告を求め、立入検査を実施する。法令違反があった場合、勧告・命令を出す。名簿業者が個人情報を第三者へ提供する場合は、個人情報保護委員会への届出と公表が必要。ビッグデータ活用のため、個人情報を匿名化した「匿名加工情報」を作成する場合には、個人を特定・識別できないよう個人情報保護委員会規則の基準に従う必要がある。マイナンバーを利用している行政機関のリスク対策を評価・公表するほか、個人情報やマイナンバーの苦情・相談に応じる。国際会議に出席し、個人情報の海外移転に関する国家間のルールづくりに取り組むほか、個人情報の保護や適切な活用に関する広報・啓発活動も進める。これまでに個人情報を大量に流出したとして、アメリカの画像共有サービスのインスタグラム社(2017年11月)や大手交流サイトのフェイスブック社(2018年10月)などに行政指導を実施した。
[矢野 武 2019年4月16日]
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