村の西山手、駒ヶ岳の東山麓にある。おそらく、この駒ヶ岳に基づいての
寺伝によると、貞観二年(八六〇)慈覚大師の弟子本聖上人が笈を負い、錫を伊那郡
また同文書の京極高知寄進状案によると、慶長三年(一五九八)領主京極高知は寺領として新規に六八石を寄進し、当時寺領は合わせて百石余に及んでいた。このように戦国武将の庇護を受け、慶安元年(一六四八)の光前寺寺領朱印状には、「赤須村内三拾石・寺中開発之地三拾石合六拾石」の朱印地が寄進されたことが記されている。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
長野県駒ヶ根(こまがね)市赤穂(あかほ)にある天台宗の寺。山号は宝積山(ほうしゃくざん)。860年(貞観2)慈覚大師円仁(えんにん)の弟子本聖が山麓(さんろく)の滝から不動明王(本尊)を感得し、開創したと伝える。天正(てんしょう)~慶長(けいちょう)年間(1573~1615)に武田・羽柴(はしば)(豊臣(とよとみ))家から寺領を寄進され、盛海(せいかい)を学頭とする学問寺として知られた。江戸時代、徳川家光(いえみつ)は朱印60石を寄せ、10万石の大名格として栄え、信濃(しなの)五大寺の一つとされた。多くの末寺があったが明治維新後廃された。現在は本堂、三重塔など10余棟を備える。遠州府中(えんしゅうふちゅう)(静岡県磐田(いわた)市)の怪物(老狒狒(ひひ))を退治し、人身御供(ひとみごくう)の難を救った霊犬早太郎(はやたろう)伝説や、雨乞(あまご)いに霊験(れいげん)あるという青獅子(あおじし)の伝説がある。1500年(明応9)造の弁天堂は国の重要文化財。境内には、極楽(ごくらく)浄土を模した庭園(国の名勝)、地蔵尊30余体を祀(まつ)る賽(さい)の河原などがあり、参道石垣の石の間にはヒカリゴケが自生している。宝物に来迎弥陀画(らいごうみだえ)など多くの仏画を蔵する。
[田村晃祐]
出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報
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