光弾性(読み)こうだんせい(英語表記)photoelasticity

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

光弾性
こうだんせい
photoelasticity

弾性体外力により変形して光学的異方体となって,複屈折を起す現象。その変形の模様は透明な物体でなければ観測できないので,多くの場合,知りたい物体の模型を透明なプラスチックなどでつくって実験を行う。最近は物体の表面に被膜をつくり,物体がひずむと被膜も同時にひずむので,被膜の光弾性から物体の応力,ひずみ分布を求める被膜法も使われている。

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デジタル大辞泉の解説

こう‐だんせい〔クワウ‐〕【光弾性】

外力を受けてひずんだ弾性体に光を照射すると複屈折を起こす性質。その干渉縞から、弾性体内のひずみの分布を知ることができる。

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百科事典マイペディアの解説

光弾性【こうだんせい】

光(ひかり)弾性,光塑性とも。ガラス,セルロイド合成樹脂のような透明弾性体で作った模型に外力を加え,力と直角の方向に偏光を通過させ,偏光板を通して観察すると,縞(しま)模様が現れる現象。等方弾性体が応力のため一時的に結晶のような性質を帯び,複屈折を起こすためで,縞模様を分析して模型内部の応力の強さや分布を測定できる。1816年ブルースターが発見,20世紀に入り弾性,材料強度の実験手段として広範囲に利用されている。使用するモデル材料もガラスからセルロイド,ベークライトをへて現在では最適なエポキシ樹脂が広く用いられている。

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世界大百科事典 第2版の解説

こうだんせい【光弾性 photoelasticity】

光弾性(ひかりだんせい)ともいう。等方で等質な透明物体に外力を加えて応力状態下におくと,この物体は等方性を失って複屈折性を示す光学的異方体になる。この現象は光弾性効果と呼ばれ,1816年イギリスの物理学者ブルースターDavid Brewster(1781‐1868)によって見いだされた。この光弾性効果に基づいて,弾性体内の応力分布に対応した複屈折の効果を光学的に測定して応力を解析しようとする実験的方法が光弾性試験で,これを単に光弾性と呼ぶ場合が多い。

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大辞林 第三版の解説

こうだんせい【光弾性】

外力が加わってひずんだ弾性体が、光に対して複屈折を起こす性質。複屈折によって生ずる光の干渉により縞模様が現れ、物体内の応力分布を推定できる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

光弾性
こうだんせい

透明なプラスチックやガラスは、通常の状態では光に対して複屈折を示さないが、これに外力を加えひずませると、このひずみに応じて複屈折を示すようになる。この現象を光弾性という。この複屈折は主応力の差に比例し(ブルースターの法則)、その比をその物質の光弾性定数という。
 に示すように、このような物体に円偏光子(偏光子と四分の一(しぶんのいち)波長板を組み合わせたもの)を通して円偏光になった光を入射し、出てきた光を円検光子(四分の一波長波と検光子を組み合わせたもの)を通して物体の像を見ると、物体のひずみによる複屈折のために干渉縞(じま)が見える。この干渉縞のパターンから物体中の応力の分布がわかる。この方法は1816年にブルースターによって創案された。構造物や機械部品などに力が加わったとき、どのような応力の分布が生ずるかを調べることは設計上きわめて重要であり、構造物などの模型を光弾性材料でつくって、その応力分布を実験的に調べることができる。[和田八三久]

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世界大百科事典内の光弾性の言及

【応力】より


[応力の測定法]
 物体内で応力が一様に分布することがわかっている場合,例えば引張試験では物体に作用する外力を測れば,(外力)/(物体の断面積)で応力が求められる。応力分布があらかじめ予測できない場合には光弾性を利用した測定法が有効である。これはガラスやエポキシ樹脂などの材料に応力が作用しているとき,そこを通過する光の偏光面が回転する性質を利用したもので,光の干渉により生ずる干渉縞の分布から応力の分布や大きさを解析する。…

【光弾性】より

…光弾性(ひかりだんせい)ともいう。等方で等質な透明物体に外力を加えて応力状態下におくと,この物体は等方性を失って複屈折性を示す光学的異方体になる。…

※「光弾性」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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