旺文社世界史事典 三訂版 「全 斗煥」の解説
全 斗煥
チョンドゥホアン
Chǒn Tu-hwan
韓国の軍人・政治家
朴正熙大統領暗殺(1979年10月)後,軍と情報部を掌握,非常戒厳令を発し(1980年5月),野党指導者の金泳三 (キムヨンサム) ・金大中 (キムデジュン) らを逮捕した。これに抗議して,全羅道の光州で起こった学生や市民の暴動(光州事件)を武力で弾圧し,朴正熙の路線を踏襲して大統領に就任(1980)した。その任期中に,韓国経済は著しく成長,ソウルオリンピックも開催(1988)し,国民投票にもとづく民主的な新憲法を制定,新憲法にもとづき大統領直接選挙を実施した。全斗煥政権は,朴正熙時代の独裁から,民主主義国家への橋渡し役をつとめたといえよう。1996年には金泳三政権下の裁判で死刑判決を受けたが,のちに特赦。
全 斗煥
ぜんとかん
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