百科事典マイペディア 「全共闘運動」の意味・わかりやすい解説
全共闘運動【ぜんきょうとううんどう】
→関連項目新左翼|吉本隆明
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全共闘は全学共闘会議の略。1968,69年の全国的な大学闘争のなかで,共産党・民青系や中核,革マル,解放など各派全学連を主体とせず,無党派学生や政治活動に比較的関心の少ない学生が結集してつくった学生の運動組織で,各大学で闘争の主体となった。東大全共闘,日大全共闘が有名であるが,69年9月には革マル派を除く反日共系8派も全国全共闘に参加した。それまで学内外の学生運動は,自治会とその連合体である全学連が主体となってきたが,自治会が各党派の拠点,資金源化するなかで,自治会に対する学生の信頼感が薄れ,さらに大学の大衆化から生じた学生意識の多様化が,学生の共同体意識をくずし,自治会による結集力を低下させた。その自治会に代わって闘争の核として登場してきたのが,クラスやサークルなどを中心とした闘争組織であり,それらが新鮮さを求める学生のエネルギーを結集し,全共闘となった。この全共闘運動は,単に組織の形態だけでなく,政治党派の思想から,個人の思想や行動に主体がおかれ,学生や大学の社会における倫理性が問題とされ,大衆団交など急進的な直接行動様式がとられたことなどが特徴であった。また,〈自己否定〉や〈自己変革〉などという言葉が中国の文化大革命の影響のもとに全共闘運動のなかで生まれた。
→学生運動
執筆者:高木 正幸
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