八方ヶ原(読み)ハッポウガハラ

日本歴史地名大系 「八方ヶ原」の解説

八方ヶ原
はつぽうがはら

矢板市と那須郡塩原しおばら町にわたり、高原火山連峰の一峰をなし、けんヶ峰(一五四〇メートル)の東側山腹に標高一〇〇〇―一三〇〇メートルのなだらかな斜面をなす。第四紀の高原火山によって流下した溶岩流末端が台状に広がり、高い方から大間々台おおままだい小間々台こままだい学校平がつこうだいらがある。那須連山や那須野ヶ原、遠く八溝やみぞ山地筑波つくば山などを望むことができる。昭和二五年(一九五〇)日光国立公園に編入、同三五年には都市計画区域に指定され、矢板市は日光国立公園の一環として矢板から八方ヶ原を経由して塩原温泉に通じるハイキングコースの開発に乗出した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「八方ヶ原」の意味・わかりやすい解説

八方ヶ原
はっぽうがはら

栃木県矢板(やいた)市と那須塩原(なすしおばら)市、塩谷(しおや)郡塩谷町、日光市にまたがる、高原山(たかはらやま)東斜面の一部をいう。標高1000~1400メートル。初夏に咲くレンゲツツジの大群落で知られ、放牧が行われる。前方に広がる雄大な関東平野は限りなく続いて地平線を画する。矢板市と那須塩原市を結ぶ八方ヶ原観光道路が開かれている。

[平山光衛]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「八方ヶ原」の意味・わかりやすい解説

八方ヶ原
はっぽうがはら

栃木県北部,高原火山群北東部の桝形山 (1086m) 南西斜面にある高原。溶岩流の末端がつくった溶岩台地から成る。標高は約 1100m。レンゲツツジ (別称イワツツジ) が美しく,ウシの放牧場もある。塩原温泉郷にいたるハイキングコースの基点でもある。矢板からの自動車道路が通じる。日光国立公園に属する。

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世界大百科事典(旧版)内の八方ヶ原の言及

【高原山】より

…新湯から富士山,大沼を通って塩釜に至る塩原自然研究路が開かれている。高原山東麓に広がる標高1000~1200mの八方ヶ原には牧場があり,レンゲツツジの名所でもあり,塩原と矢板を結ぶ八方ヶ原観光道路がある。また塩原と鬼怒川間には,鶏頂山中腹のスキー場を経由する日塩有料道路が通じる。…

※「八方ヶ原」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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