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関東平野 かんとうへいや

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

関東平野
かんとうへいや

関東地方大半を占める日本最大の平野。中央部の埼玉県久喜市栗橋付近が最も低く,周辺にゆくにつれて高くなっており,関東構造盆地(→構造盆地)と呼ばれる。北は阿武隈高地八溝山地,三国山地,足尾山地,西は関東山地,南は三浦丘陵房総丘陵,東の銚子付近にも山地の一部がある。平野は丘陵台地低地からなる。丘陵では多摩丘陵狭山丘陵,台地では武蔵野台地相模原台地下総台地常総台地那須野原,低地では利根川荒川多摩川江戸川の流域がある。このなかで洪積台地が広いことが特色で,台地には,台地を浸食した樹枝状河谷がみられる。台地の標高は 20~100m前後で,表面に関東ローム層を載せていることが多い。水利が悪いので開拓は遅れたが,江戸時代の新田集落で急速に開発された。昭和30年代まではムギ畑とサツマイモ畑,一部が野菜,果物,ラッカセイなどの商品作物栽培地と平地林で占められていたが,昭和30年代以降都市化の波により急速な変貌を遂げ,野菜畑や果樹園,工場が増えるとともに工場,住宅地化が進んだ。京浜工業地帯も周辺に拡大し,京葉工業地域鹿島臨海工業地域や埼玉県,神奈川県の内陸工業地域が著しく発達した。工業の過大集中による公害などを避けるため首都圏整備法(→首都圏)が制定された。そのために北関東の工業化が著しく,繊維などの地方工業に代わって重化学工業が進出した。東京との結びつきが強く,交通網も東京を結節点としている。

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百科事典マイペディアの解説

関東平野【かんとうへいや】

西南日本の山系と東北日本の山系の交会部に位置する日本最大の平野。東西約140km,南北約110km。関東地方の主要部を占め,北は阿武隈・八溝・足尾・三国諸山地,西は関東山地,東と南は太平洋で限られる。
→関連項目上毛三山日本

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デジタル大辞泉プラスの解説

関東平野

川俣晃自による戯曲。初演は劇団文化座(1966年)。同年、第12回「新劇」岸田戯曲賞(のちの岸田国士戯曲賞)を受賞。

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世界大百科事典 第2版の解説

かんとうへいや【関東平野】

本州の中央付近にあり,東京を中心とする首都圏域の主要部を包含する日本最大の平野。面積約1万7000km2。平面形はほぼ方形で東は鹿島灘,南は東京湾,相模湾に臨む。さらに東京湾の南半をはさむ形に位置する三浦・房総両半島の丘陵地との境が南縁の一部となる。西縁は関東山地の東を限る八王子構造線と呼ぶほぼ南北方向の直線状の山麓線であるが,北縁は足尾山地や八溝山地の山麓が南に突出して出入りが著しい。平野の北西角は榛名山,赤城山の火山すそ野にしだいに移り変わり,足尾山地と八溝山地南端の筑波山地との間は北に深く入りこんだいわゆる鬼怒川地溝帯である。

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大辞林 第三版の解説

かんとうへいや【関東平野】

関東地方の大半を占める、日本最大の平野。大部分が洪積台地で、第三紀層の丘陵も発達する。東京を中心に商工業地や住宅地が広がり、周縁部は農業も盛ん。

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日本の地名がわかる事典の解説

〔県域外〕関東平野(かんとうへいや)


関東地方の主要部を占める日本最大の平野。東京・神奈川・埼玉・千葉・群馬・栃木・茨城の1都6県にまたがる。北・西部は阿武隈(あぶくま)・八溝(やみぞ)・足尾(あしお)・関東・丹沢(たんざわ)などの山地に画され、東は鹿島灘(かしまなだ)、南は東京・相模(さがみ)両湾に面する。武蔵野(むさしの)・相模原(さがみはら)・大宮(おおみや)・下総(しもうさ)・常陸(ひたち)などの台地が広範囲を占め、縁辺部は多摩(たま)・狭山(さやま)・房総(ぼうそう)などの丘陵地を形成。台地は関東ロームにおおわれる。利根(とね)川をはじめとする諸河川が南東流し、下流域に沖積(ちゅうせき)低地が発達。東部に霞ヶ浦(かすみがうら)・北浦(きたうら)・印旛(いんば)沼などの湖沼が点在する。東京を中心に交通網が発達、南部では都市化が進み、日本最大の人口集中地帯となる。京浜・京葉(けいよう)・鹿島の各地域は工業化が顕著で、広大な臨海埋め立て地が造成された。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

関東平野
かんとうへいや

関東地方の主要部を占める日本最大の平野。北は阿武隈(あぶくま)高地、八溝(やみぞ)山地と足尾(あしお)山地、那須(なす)火山帯に属する火山群により、西は関東山地、南は房総、三浦両丘陵によって限られ、また東部は鹿島灘(かしまなだ)、九十九里(くじゅうくり)浜に、南部は東京、相模(さがみ)両湾に接している。河川の多くは北部と西部の山地から発して、平野を東または南東へ向かって流れ、太平洋と東京、相模両湾へ流入している。すなわち、中央部の利根(とね)川と、北部の渡良瀬(わたらせ)川、鬼怒(きぬ)川、小貝(こかい)川、那珂(なか)川、久慈(くじ)川や、南部の荒川、多摩川、相模川、酒匂(さかわ)川などがこれである。なかでも利根川はもっとも長大で、その流域面積は日本最大で1.68万平方キロメートルを占めている。これらの河川は、それぞれの流域に洪積層からなる丘陵・台地と沖積低地をつくっている。
 丘陵は第三紀層を基盤とし、台地面から一段と高く盛り上がっているもので、武蔵野(むさしの)台地上の狭山(さやま)丘陵と多摩丘陵がそのよい例で、標高100~200メートル内外の緩やかな起伏をなしている。また、関東山地の東縁の山地続きにみられる比企(ひき)、高麗(こま)、草花(くさはな)、加治(かじ)などの諸丘陵は、関東山地との境の断層崖(がい)(八王子構造線)の接触地域で、高さはほぼ200メートルである。
 台地は、関東平野の諸地形中もっとも広い地域を占め、大宮、武蔵野、相模原、常総(じょうそう)の諸台地がおもなものである。これらは、樹枝状に発達した比高20~40メートルの浅い侵食谷によって、いくつもの小台地に分けられている。武蔵野台地は面積が広く、西端の青梅(おうめ)の市街地では標高190メートルで、ここを頂点として扇状地状に広がり、東端の東京の山手(やまのて)台地は20メートル内外の崖(がけ)で、荒川、隅田(すみだ)川の沖積地(下町(したまち)低地)に接している。諸台地の表面は火山灰質土壌の関東ローム層で覆われており、北部のそれは浅間(あさま)、榛名(はるな)、赤城(あかぎ)などの火山灰が、南部のそれは箱根、富士の火山灰が堆積(たいせき)したものとされている。段丘が、関東平野を流れる諸河川の上流・中流部にほとんど例外なくみられるのも、関東平野の特色である。
 さらに注目されるのは、関東の洪積層の丘陵や台地の地表面の傾斜である。大きくみると、いずれも利根川中流の栗橋(くりはし)(埼玉県)付近や東京湾へ向かって緩やかに傾斜し、全体として盆地状をなしている(詳しくは3~4の小盆地に分けられる)。しかも丘陵と台地の地層の傾斜がまた地表面のそれとほぼ同じであるので、関東平野は栗橋付近を中心とした撓曲(とうきょく)盆地構造をなしているといえる。このような盆地をつくる造盆地運動は第三紀に始まったと考えられているが、関東ローム層の堆積直後にとくに活発であったようである。また最近、武蔵野台地内で多くの活断層が発見され、その動きは地震予知の貴重な資料とされる。こうして、この関東平野の造盆地性の地殻運動は現在も続き、関東構造盆地の中央地域はわずかずつながら沈下を続け、古利根(ふるとね)川はこの沈降帯を東京湾へ向けて流下していた。利根川が中流で氾濫(はんらん)すると、その洪水流が東京湾へ向けて流下するのは、こうした関東平野の構造盆地の性質によるものとされる。
 関東平野は、歴史上は近畿地方の諸平野に比べて開発が遅れていた。しかし、平安時代の中ごろから開け始め、鎌倉時代には鎌倉という政治都市がつくられた。江戸時代に入ると、東京湾奥の江戸が江戸幕府の拠点となり、参勤交代制によって諸大名の江戸屋敷がつくられ、江戸は当時としては世界有数の大都市に発展した。これに伴って、それに近い関東平野の諸河川の下流の三角州や諸台地の新田開発が盛んとなり、江戸中期、後期にはタバコ(秦野(はだの)、茂木(もてぎ)、烏山(からすやま))や大麻(たいま)、後期にかんぴょう(栃木県)の生産や、養蚕、製糸、絹織物業(平野の北西部から西部にかけて)、しょうゆ造り(銚子(ちょうし)、野田)などがおこった。江戸へは上方(かみがた)(京、大坂)から絹、酒をはじめ高級衣食料品が廻船(かいせん)で輸送されていた。明治に入って東京が日本の首都となると、東京を中心に交通(鉄道、港湾)が整備され、在来工業の近代化、新産業(重化学工業)の導入が図られ、全平野の近代的開発も進められた。現在、東京に近接する南関東諸地域をはじめ全関東平野では、京浜を核とする新交通網が急速に整備され、各種の衛星都市が数多く発達し、全国第一の都市化、工業化地域となっている。[浅香幸雄]

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