東は矢板市、西は
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
栃木県北部,那須岳と白根山(日光白根)のほぼ中間に位置する火山。日光国立公園に含まれる。北の塩原火山と南の釈迦ヶ岳(しやかがたけ)火山の二つの第四紀の成層火山からなる。前黒山(1678m),明神岳(1627m)などからなる塩原火山が形成されたのち,鶏頂山(1756m),釈迦ヶ岳(1795m),西平(にしひら)岳(1712m)などが火口壁をつくる釈迦ヶ岳火山が噴出し,現在の山体が形成された。噴火の初期は玄武岩質の溶岩,後期は側火山の溶岩円頂丘の富士山(1184m)に見るように酸性岩の石英安山岩や軽石を噴出した。噴火活動の記録は残されていない。東に開く爆裂火口はスッカン沢から鹿股川となって箒(ほうき)川に注ぐ。北麓に塩原温泉,西に川治温泉がある。新湯から富士山,大沼を通って塩釜に至る塩原自然研究路が開かれている。高原山東麓に広がる標高1000~1200mの八方ヶ原には牧場があり,レンゲツツジの名所でもあり,塩原と矢板を結ぶ八方ヶ原観光道路がある。また塩原と鬼怒川間には,鶏頂山中腹のスキー場を経由する日塩有料道路が通じる。
執筆者:平山 光衛
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
栃木県矢板市(やいたし)、那須塩原市(なすしおばらし)、塩谷(しおや)郡塩谷町、日光市にまたがり、鬼怒(きぬ)川と箒(ほうき)川に挟まれる火山。北の前黒(まえぐろ)山(1678メートル)、明神(みょうじん)岳などからなる塩原火山と南の鶏頂(けいちょう)山(1765メートル)、釈迦(しゃか)ヶ岳(1795メートル)などからなる釈迦ヶ岳火山の二つの成層火山の複合火山を高原山という。初期に玄武岩、後期には寄生火山の富士山(ふじやま)にみるような石英安山岩や軽石を放出した。東に開く爆裂火口が火口瀬のスッカン沢、鹿股(かのまた)川となって北流し、箒川に合流する。日光国立公園区域に含まれ、北麓(ほくろく)の塩原温泉などが探勝の拠点となり、箒川沿いの渓谷美、八方ヶ原(はっぽうがはら)、南東斜面の県民の森、大沼を回る自然研究路などハイキングの好適地に恵まれる。
[平山光衛]
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