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八重衣 やえごろも

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

八重衣
やえごろも

地歌箏曲の曲名。京都の石川勾当作曲の三弦曲に八重崎検校が箏の手を作曲した京風手事物百人一首のなかの「衣」の語の含まれている和歌,すなわち光孝天皇 (『古今和歌集』) ,持統天皇 (『新古今和歌集』) ,参議雅経 (同) ,天智天皇 (『後撰和歌集』) ,後京極摂政前太政大臣 (『新古今和歌集』) の5つの和歌を四季の順に並べたものを歌詞とする。当初この曲はあまりにも難曲で,作曲者自身もうまく弾けなかったものを,九州の宮原検校が惜しんで八重崎に箏の手をつけさせてから世に流行するようになったと伝えられる。『融 (とおる) 』『青柳 (あおやぎ) 』とともに「石川の三つ物」といわれ,いずれも大曲である。

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デジタル大辞泉の解説

やえごろも〔やへごろも〕【八重衣】

地歌・箏曲(そうきょく)。文化・文政(1804~1830)ごろ、京都の石川勾当(いしかわこうとう)作曲。のちに八重崎検校が箏の手を付けた。百人一首中の衣にちなむ歌5首を四季の順に並べた歌詞で、京風手事物(てごともの)の代表曲。

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百科事典マイペディアの解説

八重衣【やえごろも】

地歌,箏曲の曲名。石川勾当作曲,八重崎検校箏手付の京風手事物。《小倉百人一首》の中から〈衣〉にちなんだ5首を選んで四季の順に並べたもの。演奏にかなりの技巧を要する難曲としても知られる。

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世界大百科事典 第2版の解説

やえごろも【八重衣】

地歌・箏曲の曲名。石川勾当(こうとう)作曲の地歌の手事物で,《融(とおる)》《新青柳》とで〈石川の三つ物〉とされる大曲。石川自身も弾きこなせない難曲であったが,宮原検校(?‐1864)が八重崎検校に箏の手を付けさせてから,一躍有名になったという。歌詞は《百人一首》の中の〈衣〉にちなむ和歌5首を,季節順に配して使用。途中に長い手事が2ヵ所ある。三味線は本調子のままで通して弾く。【久保田 敏子】

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大辞林 第三版の解説

やえごろも【八重衣】

地歌・箏曲の一。石川勾当の三味線曲。のち、八重崎検校が箏の手を付ける。歌詞は百人一首より衣にちなんだ四季の和歌五首を並べる。京風手事物てごとものの代表曲。

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