コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

八隅説 はちぐうせつoctet theory

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

八隅説
はちぐうせつ
octet theory

ルイス=ラングミュア原子価論ともいう。 G.ルイスと I.ラングミュアによって提示された。原子が分子を形成するときの本質に関する仮説である。原子の原子価電子立方体の頂点のいずれかを占めており,これらの原子が結合して分子を形成する場合は,おのおのの原子の頂点全部に電子を満たした8個の電子群すなわち八隅子を形成する傾向があるとする説。たとえば酸素原子 (電子6個) から酸素分子 O2 をつくる場合,立方体の一面を共有したモデルを考えると,おのおのの原子の各頂点には電子が満たされることになる。しかし例外の結合も多く見出されたので,現在ではあまり用いられない。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディアの解説

八隅説【はちぐうせつ】

原子価論の古典的考え方の一つ。原子の価電子は立方体の8隅に位置しているとする考え方。各原子は8隅のすべてに電子を満たした希ガス元素型の電子配置をとろうとするため,たとえばハロゲン元素アルカリ金属元素が結合する場合には,前者が後者の電子1個を奪ってそれぞれ8隅を満たして負,正のイオンとなりイオン結合をし,共有結合の場合には立方体の稜または面を共有して互いに8隅を満たし合うことによって結合するとする。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト百科事典マイペディアについて 情報

大辞林 第三版の解説

はちぐうせつ【八隅説】

アメリカの物理化学者ルイス(G.N. Lewis)が唱えた原子価理論。原子価の説明モデルとして立方体を考え、価電子がその八つの頂点(八隅)をみたし希ガス型の安定した電子配置をとって化学結合を生ずるとするもの。オクテット。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

世界大百科事典内の八隅説の言及

【化学結合】より

この表記法は現在でもしばしば用いられ,ルイスの点表示と呼ばれる。I.ラングミュアはこのような考え方を八隅説,また結合を共有結合と呼んだ(1919)。ルイスの考え方の重要な点は,化学結合は原子と原子を結びつけている電子対であることを指摘したことにある。…

【ラングミュア】より

…さらに,液体表面上における単分子膜の研究に取り組み,配向単分子層の存在を実証するとともに,この分野の研究の基礎を確立した。彼の研究対象は広範にわたり,G.N.ルイスによる化学結合の電子説に基づき,化学結合の八隅説octet theoryを提唱したことはよく知られている。そのほかに,気体中の放電,熱電子放射および晩年における人工降雨実験などの研究がある。…

※「八隅説」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

八隅説の関連キーワードリチャード アベックオクテット理論シジウィックオクテット八隅子則原子価

今日のキーワード

天網恢恢疎にして漏らさず

《「老子」73章から》天の張る網は、広くて一見目が粗いようであるが、悪人を網の目から漏らすことはない。悪事を行えば必ず捕らえられ、天罰をこうむるということ。...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android