公営ギャンブル(読み)こうえいぎゃんぶる

日本大百科全書(ニッポニカ) 「公営ギャンブル」の意味・わかりやすい解説

公営ギャンブル
こうえいぎゃんぶる

中央競馬、地方競馬、競輪競艇オートレースの5競技の総称。おのおのの特別法(順に競馬法、自転車競技法、モーターボート競走法、小型自動車競走法)により刑法上の違法性を阻却するものである。所轄官庁は両競馬が農林水産省、競輪とオートレースが経済産業省、競艇が国土交通省である。このうち中央競馬を除いては、各自治体が施行者となっている。第二次世界大戦後再発足したとはいえ古い歴史をもつ中央競馬以外の4競技が実施されたのは、地方競馬と競輪が1948年(昭和23)、オートレースが50年、競艇が51年で、いずれも戦災復興の目的があった。ドッグレースも立案されたが成立に至らなかった。これらの公営ギャンブルの収益金は学校や体育館の建設、老人養護施設補助や公共事業など幅広く使われている。しかし近年、競技団体のなかには売上げの低迷から赤字経営になるものが出つつある。

[石井恒男]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「公営ギャンブル」の意味・わかりやすい解説

公営ギャンブル
こうえいギャンブル

法律によって,特殊法人や地方公共団体による施行が許可された賭け事。公営競技公営賭博ともいわれる。競馬競輪競艇オートレースの 4収益事業がそれにあたり,規制する法律として,それぞれ競馬法自転車競技法モーターボート競走法小型自動車競走法がある。特殊法人の日本中央競馬会が施行する中央競馬を除き,地方競馬,競輪,競艇,オートレースの施行権は,都道府県や総務省が指定した市町村など地方公共団体だけに与えられている。投票権売上額の 75%は払い戻され,残りの 25%から施行の経費,各事業の振興会(地方競馬全国協会,JKA,日本財団)への交付金,地方公共団体金融機構(→公営企業金融公庫)への公営競技納付金を差し引いた収益金が,地方自治体の財政資金となる。中央競馬の場合も 75%は払戻金にあてられ,収益金は国庫納付金として政府に納められる。宝くじは,競走を媒介とする 4収益事業と性格は異なるが,広義の公営ギャンブルともいえる。

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