通信ケーブル,電力ケーブル,ガス管や上下水道などの公益事業に必要な地下埋設物を,共同で収容するために地下に設けられる施設。これらの収容物を巡回点検,増設,あるいは維持修理するのに必要な空間と,出入口,換気,排水設備,内部照明などを備えた地下道形式になっている。共同溝の利点としては,(1)埋設物の増設,修理の際に道路を掘り返す必要がないこと,(2)その結果,道路構造の保全と円滑な交通の確保ができること,(3)都市防災および都市美観の向上,(4)道路地下空間を有効かつ合理的に利用できること,(5)それぞれの地下埋設物を単独で建設するのに比べ経済的であることなどがあげられる。世界で最初の共同溝は,1861年ロンドンのガリック街街路新設の際に建設され,幅3.6m,高さ2.3mのアーチ形の天井をしたものであった。日本では,関東大震災の復興事業の一環として1927年東京都千代田区九段坂に建設された長さ約270m,内法幅2.7m,高さ2.1mの鉄筋コンクリート製の共同溝(九段坂共同溝)が最初で,これには水道,ガス,下水,電力,電話の管やケーブルが収容され,現在でも建設当時のままで使用されている。日本では,その後自動車の増加による都市内交通渋滞に埋設工事による道路の掘返しが拍車をかけていることから共同溝の整備が図られ,63年〈共同溝の整備等に関する特別措置法〉が制定された。これに伴って,従来法的には道路兼用工作物および道路占用物件として扱われていた共同溝が,道路付属物として扱われることとなった。すなわち道路管理者が共同溝の建設者になって公益事業者間の計画の調整を行うとともに,費用負担,管理責任の明確化も図られるようになった。
執筆者:及川 陽
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
鉄筋コンクリート製の地下構造物で、電話ケーブル、電線、ガス管、上下水道管(工業用水道を含む)をいっしょに収容する。標準的な形の共同溝は、内部に人が出入りして、収容した管・線の点検、増設、補修などができる程度の空間をもった構造である。道路を交通以外の目的で使用することを占有といい、そのための施設を占用工作物という。電柱、郵便ポスト、電話ボックスなどは地上の占用工作物であり、上下水道管、ガス管、電話ケーブル、電線などは地下の占用工作物である。地下の占用工作物は新設、増設、保守などのため路面を掘り返す必要があり、そのたびに今日の増大する道路交通に対し大きな障害となり、危険も少なくないので、これらの地下占用工作物をまとめて共同溝に収容するための努力が払われている。1963年に「共同溝の整備等に関する特別措置法」(昭和38年法律810号)が公布され、共同溝を整備すべき道路の指定がなされ、建設、整備が進められている。
[吉川和広]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
[1973~ ]プロ野球選手。愛知の生まれ。本名、鈴木一朗。平成3年(1991)オリックスに入団。平成6年(1994)、当時のプロ野球新記録となる1シーズン210安打を放ち首位打者となる。平成13年(...
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