東京都伊豆諸島北端にある玄武岩質の二重式成層火山、大島の中央火口丘である三原山(みはらやま)の別名。標高764メートル。外輪山に対応し、内側の山の意でこの名がつけられた。外輪山は一般的な火山用語であるが、内輪山は伊豆大島での固有地名で、ほかの火山では通用しない。1552年(天文21)以降の諸噴火はカルデラ内でおきたが、現在の内輪山は1777~1779年(安永6~8)の大噴火で形成された。1950~1951年(昭和25~26)には、中央火口からあふれ出した溶岩がカルデラ床(カルデラ壁に囲まれた凹地)へ流出した。1986年(昭和61)11月には、内輪山のほか、カルデラ床や外輪山北側山腹でも割れ目噴火し、溶岩流が集落に迫ったりしたため、全島民約1万人が約1か月島外に避難した。
[諏訪 彰]