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再生不良性貧血 さいせいふりょうせいひんけつaplastic anemia

翻訳|aplastic anemia

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

再生不良性貧血
さいせいふりょうせいひんけつ
aplastic anemia

重症貧血の一つで,骨髄系血球の赤血球白血球 (特に好中球) ,血小板のすべてが著しく減少するために,リンパ球が相対的に増加する疾患をいう。白血病のような悪性の基礎疾患はない。まだ原因も根本的な治療法も発見されず,蛋白同化ホルモンの投与,輸血など対症療法を主とする。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

再生不良性貧血

骨髄中の造血幹細胞に障害があり、血液中の白血球、赤血球、血小板のすべての血球が補給できずに減少する病気。先天性と後天性があり、後天性のうち約7割が原因不明の特発性再生不良性貧血呼ばれる。難病情報センターによると、国内の患者数は約5千人。

(2007-11-01 朝日新聞 朝刊 都 2地方)

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デジタル大辞泉の解説

さいせいふりょうせい‐ひんけつ〔サイセイフリヤウセイ‐〕【再生不良性貧血】

骨髄の造血機能が低下し、赤血球の補充がうまく行われないために起こる重症の貧血。白血球血小板も減少し、皮膚や歯茎からの出血も起こりやすい。原因不明のことが多いが、放射線障害や薬品の副反応によるものもある。

出典|小学館
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百科事典マイペディアの解説

再生不良性貧血【さいせいふりょうせいひんけつ】

骨髄における赤血球,白血球,血小板の生成がいずれも低下する疾患。難病に指定。重症のものでは骨髄は脂肪化している。クロロマイセチンベンゼン,ブタゾリジン等の薬剤,放射線,制癌(がん)薬等によって起こるが,半数以上は原因不明。
→関連項目骨髄バンク成分献血白血球減少症貧血ベンゼン中毒

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栄養・生化学辞典の解説

再生不良性貧血

 骨髄の造血機能が低下して赤血球,顆粒球,血小板のすべてが減少する貧血.

出典|朝倉書店
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家庭医学館の解説

さいせいふりょうせいひんけつ【再生不良性貧血 Aplastic Anemia】

[どんな病気か]
 血液は骨髄(こつずい)でつくられますが、骨髄のはたらきが衰え、赤血球(せっけっきゅう)が十分つくれなくなるためにおこる貧血を、再生不良性貧血といいます。
 骨髄では、赤血球のほかに、白血球(はっけっきゅう)や血小板(けっしょうばん)などもつくられており、これらも減少してしまいます。
 このため、白血球の減少によって感染がおこりやすく、血小板の減少によって血液が固まりにくく、出血しやすくなります。
 徐々に発症することが多いのですが、急激に発症することもあります。
 徐々におこる慢性の再生不良性貧血は、よくなる時期と悪くなる時期を交互にくり返すことが多いものです。
 原因不明のことも多く、確実な治療法もないため、厚労省は特定疾患(とくていしっかん)(難病(なんびょう))の1つに指定し、治療費を補助しています。慢性のものは治療でよくなることが多いのですが、急性のものは、治療しても生命を救えないことが少なくありません。
[症状]
 だるさなど、貧血の一般症状(貧血とはの「貧血の症状」)のほかに、皮膚、歯ぐき、鼻などから出血しやすくなります。皮膚を打撲(だぼく)すると、内出血(ないしゅっけつ)による紫色のあざ(紫斑(しはん))ができやすかったり、注射したあとの出血がなかなか止まらなかったりすることがあります。
 また、発熱、のどの痛みなど、かぜのような症状も現われてきます。
 軽症の場合は、出血傾向(「出血傾向とは」)もなく、発熱もないことがあります。
[原因]
 先天的に骨髄の造血機能(ぞうけつきのう)が悪い場合もありますが、よくみられるのは、さまざまな血球のもとになる細胞が著しく減ってしまい、その部分が脂肪組織におきかわってしまうものです。
 こうしたことがおこる原因は不明ですが、自己免疫疾患(じこめんえきしっかん)(免疫のしくみとはたらきの自己免疫疾患とは)と考えられる場合もあります。
 また、薬剤、化学物質、大量の放射線などが原因でおこることもあり、肝炎ウイルスの感染が原因でおこると思われる激症のものもあります。
 再生不良性貧血は、診断・治療ともむずかしいので、この病気が疑われたら、血液の専門医を受診します。
[検査と診断]
 鉄欠乏性貧血と同じ血液検査(「鉄欠乏性貧血」の検査と診断)のほか、いろいろな検査が行なわれます。
 赤血球、白血球、血小板など、骨髄でつくられる血球がすべて減少していることを確認し、骨髄の組織を針で少量とって、組織が変性していることを確認すれば、ほぼ診断がつきます。
[治療]
 軽症であれば輸血の必要はありませんが、輸血が必要になることが多いものです。
 重症の若い人の場合には、輸血で症状を抑えてから、骨髄移植(「骨髄移植の知識」)を考えます。
 骨髄バンクもありますが、免疫の拒絶反応を避けるため、家族や親戚(しんせき)から適合性のよいものを提供してもらうほうが望ましいといえます。
 また、ステロイド副腎皮質(ふくじんひしつ)ホルモン)やリンパ球グロブリンの使用など、さまざまな免疫抑制療法が効果をあげることもあります。
[日常生活の注意]
 出血しやすいので、打撲やけがに注意します。また、かぜをひかないように注意することもたいせつです。
 この病気は、治療すれば社会復帰ができることが多くなっていますから、医師の指示にしたがって、根気よく治療していくことが重要です。

出典|小学館
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大辞林 第三版の解説

さいせいふりょうせいひんけつ【再生不良性貧血】

骨髄の障害により造血機能が減弱して起こる疾患。貧血・出血・感染症状を呈する。原因不明の症例が大部分を占めるが、放射線や、抗癌こうがん剤・クロロマイセチンなど薬剤によるものがある。

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

再生不良性貧血
さいせいふりょうせいひんけつ

骨髄の造血能力が低下し、赤色髄が減少して脂肪髄が増加、血中のすべての血球が減少(汎(はん)血球減少)し、かつ各種の治療法で治らない貧血をいう。特定疾患(難病)に指定されている。この病気にかかった骨髄を顕微鏡で見ると、赤色髄はきわめて乏しく、脂肪化し、血球の母細胞をはじめとしてすべての血球産生に乏しく、無形成の骨髄であり、造血の再生が不良である。そのため無形成性貧血ともよばれる。発生の仕組みの一つとして、造血幹細胞が減少することが立証されている。すなわち全血球のいちばん先祖の細胞が減少することにより、それから生まれる子供、孫などすべてが減ってしまうためである。原因がはっきりしているのは二次性再生不良性貧血で、放射線、抗癌(こうがん)剤、ベンゼン誘導体、重金属などの医薬品、工業薬品などを長期間、大量に使用すればかならず再生不良性貧血が発生する。抗生物質として優れた効果を示したクロラムフェニコール(クロロマイセチン)は、5万回の使用に対して1人の割合で再生不良性貧血が発生する。またサルファ剤、ピリン剤、抗けいれん剤、抗甲状腺(せん)剤、抗結核剤などおよそ薬剤といわれるもののすべてにわたるくらいに、過敏反応として本症発生の報告がみられる。しかし、原因が消失すると速やかに回復するのが二次性の特徴である。これに対して原発性(一次性)、特発性といわれるものがあり、発病は緩慢で慢性の経過をたどるものが多く、年齢別、男女間に発生頻度の差はみられない。[伊藤健次郎]

症状

症状は貧血と出血傾向が主で、一般に相当進行してからでないと症状(蒼白(そうはく)、息切れ、動悸(どうき)、めまい、歯肉出血、四肢の点状出血など)は出現しない。ことに慢性にゆっくりと貧血が進行すると、体が順応するために症状が現れにくいが、検査を行うと、赤血球、白血球、血小板が並行して減少している。白血球では、リンパ球は保存されて減少の程度が軽いため、比率でみると顆粒(かりゅう)球が減少して、リンパ球が増している。これをリンパ球比較的増加という。貧血は正球性正色素性貧血で、ときに経過の途中で軽い高色素性を示す例がある。出血傾向はもっぱら血小板の減少によるもので、出血時間は延長するが、凝血時間は正常である。
 貧血と出血傾向を示し、血液検査で汎血球減少症を伴う病気は、再生不良性貧血と非常に紛らわしいので、区別をするのに困難な場合がある。白血球数の少ない非白血性白血病や骨髄中の脂肪が多くて細胞の少ない低形成性白血病など、白血病が定型的でない場合があるが、鑑別診断はかならずしも容易でない。そのほかにも汎血球減少を伴う病気が数多くあるが、骨髄穿刺(せんし)を行うことによって区別は容易となった。ファンコニー貧血は先天性再生不良性貧血であり、発作性夜間血色素尿症が再生不良性貧血とまったく類似してみえることがある。肝炎後の再生不良性貧血は、急性肝炎と同時か、続いておこり、急激で予後が悪い。[伊藤健次郎]

治療

造血の回復を図ることであるが、全例に有効な方法はまだない。しかし造血促進作用のある男性ホルモン、タンパク同化ホルモン、副腎(ふくじん)皮質ホルモンが効果を示す。ただし長期間投与が必要なため副作用に注意する。輸血療法も造血が回復して治療に反応するまでは絶対必要なもので、骨髄移植も考案されている。一般に3分の1は完治、略治、3分の1は予後が不良である。[伊藤健次郎]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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世界大百科事典内の再生不良性貧血の言及

【抗生物質】より

…血液検査による肝機能検査が重要である。(5)造血器障害 クロラムフェニコールにより,まれに再生不良性貧血を起こすことがあり,致死率は高い。このため,クロラムフェニコールは使用が制限されるようになった。…

【貧血】より

…つまり,貧血は症状であって,病名ではなく,種々の病気がこの中に含まれている。貧血は発生原因や赤血球の形によって,鉄欠乏性貧血,再生不良性貧血,溶血性貧血,鉄芽球性貧血,悪性貧血などに分けられ,このうち鉄欠乏性貧血が最も多くみられる。
[貧血の医学的な定義]
 医学的には,貧血は,血液の単位容積中のヘモグロビン濃度が,年齢および性を考慮した正常値に達しない状態と定義される。…

※「再生不良性貧血」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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