写真版(読み)しゃしんばん

精選版 日本国語大辞典「写真版」の解説

しゃしん‐ばん【写真版】

〘名〙
① ネガフィルムを印画紙に焼きつけたもの。写真。
※多情多恨(1896)〈尾崎紅葉〉後「然(さう)云ふ匹婦(あま)の膓(はらわた)こそX光線でお願ひ申すのだ、而(さう)して写真に取って」
② 写真を利用し作った印刷用版の総称。版材としては亜鉛板、アルミ板、感光性樹脂などが用いられ、感光材として重クロム酸アンモニウム、ジアゾニウム塩などが用いられる。
風俗画報‐二〇三号(1900)鎌倉町「写真版制作所にして川岸にあり」
写真製版で作られた版により印刷された写真など。
※風俗画報‐二〇〇号(1899)広告「名家筆蹟の写真版にして高尚無比の逸品」

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日本大百科全書(ニッポニカ)「写真版」の解説

写真版
しゃしんばん

写真を網点(あみてん)の大小に置き換えて濃淡を表した凸版網版と同じ意味に用いられるが、正確な意味では、平版オフセット印刷の写真の部分は写真版とはいわず、あくまで凸版印刷での写真を再現する場合に用いられる。しかし平版においても、線画や文字部分に対して写真の部分で、写真版という言葉が使われてしまうこともある。

[山本隆太郎・中村 幹]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内の写真版の言及

【凸版】より

…凸版は,印判の例を見てもたやすく理解できるように,画線の面が非画線の面より高く,この間の高低差を利用して画線面のみにインキをつけて印刷するもので,これには非常に多くの種類がある。最も代表的なものは活版印刷で用いられる活版で,このほか,線画を印刷するために線画部分のみを凸にした線画凸版,写真など濃淡の階調のあるものを印刷するため,濃淡を凸状の点(網点という)の大小におきかえた写真版(網凸版),写真版の一種で,原画の白色部を強調するため白色部の網点を取り除いたハイライト版,同じく写真版の一種で,カラー印刷に用いる原色版などがこれに属する。 印刷インキを版面に選択付着させる平版や,不要のインキを版面から除去してから印刷する凹版などと異なり,凸版では,版面へのインキの付着は簡単で,このため印刷中に起こりうる画像のゆがみがなく安定した印刷が可能であり,また大部数を印刷する場合にも適している。…

※「写真版」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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