出方(読み)デカタ

デジタル大辞泉 「出方」の意味・読み・例文・類語

で‐かた【出方】

出る方法・ようす。でよう。「芽の出方
物事に対する処理のしかたや態度。でよう。「最初交渉では相手出方をみる」
芝居茶屋相撲茶屋などに所属し、客を座席に案内したり、飲食物世話をしたりする人。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「出方」の意味・読み・例文・類語

で‐かた【出方】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 出る様子、方法。でよう。
  3. ある事柄に対する対処のしかた。やりかた。でよう。態度。
    1. [初出の実例]「お前の出かた一つで何うでもなるに」(出典:にごりえ(1895)〈樋口一葉〉一)
  4. 劇場や相撲茶屋などで、客の案内や雑用をした人。相撲茶屋では現在も残る。
    1. [初出の実例]「『へい、朝霧関今日は』〈略〉『これは誰れかと思うたら出方の衆〈略〉』」(出典:歌舞伎・櫓太鼓鳴音吉原(1866)三幕)
    2. 「帝国劇場といふものが出来て、茶屋も出方もつかはないあたまで西洋式の切符制度といふことをやってみせた」(出典:春泥(1928)〈久保田万太郎〉みぞれ)
  5. 私娼
    1. [初出の実例]「出方(デカタ)(私娼)と主人とが二人で都合六日の拘留と五十二円也の罰金」(出典天国記録(1930)〈下村千秋〉三)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の出方の言及

【相撲茶屋】より

…初めは相撲見物の者が10人,20人と仲間を誘い合わせてつくった講中のようなものがしだいに案内所として発達した。江戸相撲全盛期の寛政年間(1789‐1801)には,出方(桟敷札の売りさばき人),物持(案内人)と彼らをやとう桟敷方(相撲茶屋の前身)という形態が組織だったものとなった。その後1833年(天保4),当時の相撲会所は14人の桟敷方との間のもめごとをなくすために,全年寄の加判のうえ,契約書を取りかわして桟敷方の永代権利を認めることになった。…

【丁半】より

…賭場へはいると,現金は駒といわれる木札と交換し,帰るとき精算をする。見張り,下足,梯子(はしご)番,賭場の世話をする出方(でかた),ツボ振りの中盆(なかぼん),貸元あるいは代貸がいるのが普通の賭場のあり方である。さいころ1個でする賭博はチョボイチ,3個はキツネ,4個はチイッパ,5個はテンサイという。…

※「出方」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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