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分娩麻痺 ぶんべんまひbirth paralysis

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

分娩麻痺
ぶんべんまひ
birth paralysis

新生児が分娩時に外傷を受けて,末梢神経障害を起したもの。おもに上腕神経叢麻痺と顔面神経麻痺をいうが,最近は顔面神経麻痺は自然治癒して後遺症が残らないので,分娩麻痺には入れず,仮性麻痺ということが多い。

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世界大百科事典 第2版の解説

ぶんべんまひ【分娩麻痺 birth palsy】

分娩時に児の腕神経叢に発生する麻痺。分娩に際し,児の肩または頭が産道の狭窄部にとらえられたとき,これを解離させようとして,頸部を側屈させたり,引っ張ったりすることによってひき起こされた疾患である。骨盤位分娩や,頭位分娩でも巨大児のとき起こりやすい。巨大児では頭囲よりも肩幅のほうが大きくなるので,肩が捕捉されやすいためである。作用する力が大きくなるにつれ,腕神経叢の損傷は上位から下位に広がるが,上位の損傷度が強い傾向がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

分娩麻痺
ぶんべんまひ

分娩時に新生児が受ける分娩外傷のうち、末梢(まっしょう)神経障害性の麻痺をいい、普通は腕か顔面にみられる。
 腕の麻痺は上腕型と前腕型に分けられ、上腕型がもっとも多く、上肢の弛緩(しかん)麻痺が特徴で、知覚麻痺は伴わない。新生児は肘(ひじ)を伸ばしたままで、手や指は動かすが腕を上にあげられない。放置しても治ることが多い。これに対して前腕型では、手や指が動かず握りこぶしもつくれない。また、知覚障害もみられ、上腕型より治りにくい。なお、上腕型では横隔膜麻痺を伴うことがあり、呼吸障害の原因になるが、予後はやはり良好である。
 また顔面麻痺は、鉗子(かんし)分娩のときに多くみられ、顔面部の圧迫による末梢性麻痺で、自然分娩でもみられることがある。顔面の片側におこり、眼瞼(がんけん)(まぶた)が閉じなかったり口元がゆがんだりするが、泣いたときに顕著となる。自然治癒する場合が多いが、まれに脳内出血による中枢性麻痺もあるので注意する。
 分娩麻痺は普通6か月以内に治るが、麻痺の程度がひどい場合はマッサージや電気療法などを行うこともある。[新井正夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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