利尻山(読み)リシリサン

デジタル大辞泉 「利尻山」の意味・読み・例文・類語

りしり‐さん【利尻山】

北海道北部、利尻島中央にある山。標高1721メートルの円錐状火山。南斜面はチシマザクラの群生地で、北海道天然記念物に指定されている。利尻富士

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日本歴史地名大系 「利尻山」の解説

利尻山
りしりざん

利尻島全体を占める標高一七二一メートルの山。日本海上や天塩地方の海岸から海上に突出した秀麗な山容が望まれ、利尻富士と通称されるほか、利尻岳ともよばれる。更新世中期に噴出した円錐形火山で、長い浸食で頂上は尖峰をなし山腹には放射状に涸沢が刻まれた荒々しい山容をなす。約二万年前に山麓・山腹・山頂付近から玄武岩が噴出したが、有史以後の活動記録はない。北麓にポン山、南麓に鬼脇おにわきポン山・仙法志せんほうしポン山などの側火山があり、また南麓の沼浦ぬまうらにはオタドマリ沼・三日月みかづき沼がある。

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改訂新版 世界大百科事典 「利尻山」の意味・わかりやすい解説

利尻山 (りしりざん)

北海道北部,日本海に浮かぶ利尻島中核をなす火山。標高1721m。島全体が円錐形の成層火山で,日本海上や天塩(てしお)海岸から海上に突出した美しい山容が望まれ,利尻富士とも呼ばれる。基盤は第三紀の堆積岩と火山岩から成り,最初に玄武岩質の火砕岩,溶岩を噴出し,さらにその上に安山岩溶岩が噴出,更新世までに主成層火山が形成された。その後の長い休止期間中に山体の浸食も著しく進み,山頂付近には火口の跡もみられない。約2万年前に山麓,山腹,山頂付近から玄武岩が流出したが,有史以来の活動の記録はない。山頂付近は急峻な岩壁をなすが,中腹以下は扇状地性の堆積物や側火山の堆積物によっておおわれた緩斜面で,同心円状の等高線を保持している。北麓にはポン山(444m),南麓には鬼脇ポン山(411m),仙法志ポン山(320m)などの側火山の砕屑丘がみられる。また南麓の沼浦の爆裂火口底にはオタドマリ沼,三日月沼がある。山頂付近にはリシリヒナゲシをはじめ利尻の名を冠した島固有の高山植物がみられ,浸食谷には万年雪がある。
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百科事典マイペディア 「利尻山」の意味・わかりやすい解説

利尻山【りしりざん】

北海道,利尻島にある活火山。標高1721m。利尻岳,利尻富士とも呼ばれる。高緯度にあるため,山頂部には多く高山植物が見られる。鴛泊(おしどまり),沓形(くつがた)から登山路がある。利尻礼文サロベツ国立公園に属し,日本百名山にも選ばれている。

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