利尻島(読み)リシリトウ

デジタル大辞泉 「利尻島」の意味・読み・例文・類語

りしり‐とう〔‐タウ〕【利尻島】

《「りしり」は高い山の意のアイヌ語から》北海道北端部、日本海にある火山島中央利尻山、その山麓に水場の甘露泉水かんろせんすいがある。コンブ特産。面積約183平方キロメートル。

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精選版 日本国語大辞典 「利尻島」の意味・読み・例文・類語

りしり‐とう‥タウ【利尻島】

  1. ( 「りしり」はアイヌ語「リシル=高峰の島」の音訳 ) 北海道北部、日本海にある島。利尻山(一七二一メートル)という円錐火山からなり、北西約一〇キロメートルの礼文(れぶん)島と対する。かつてはニシン漁業で知られ、現在はコンブの名産地。利尻礼文サロベツ国立公園に含まれる。

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日本歴史地名大系 「利尻島」の解説

利尻島
りしりじま

稚内市の西方、利尻水道を挟み日本海に浮ぶ島。稚内港から約五二キロ。周囲六三・三キロ、面積一八二・一一平方キロ。礼文れぶん水道を隔て、北西方約一〇キロに礼文島がある。円錐形火山の利尻山(一七二一メートル)からなるほぼ円形の火山島で、東側が宗谷支庁利尻郡利尻富士りしりふじ町、西側が同郡利尻町。正保日本図(高木崇世芝氏蔵)に「リイシリヱソ」とあり、北海道本島との間に舟渡し一五里ほど、「レフンシリヱソ」との間に舟渡し三里と記される。一八世紀後半と推定される蝦夷松前輿地図(同氏蔵)には「リウジリ」、山川地理取調図には「リイシリ 高嶌」とある。

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改訂新版 世界大百科事典 「利尻島」の意味・わかりやすい解説

利尻島 (りしりとう)

北海道北部,日本海上に浮かぶ島。利尻水道を隔てて本島北西方の海上約20kmに位置する。利尻山を主体とし,南北径約18km,東西径約14kmの長円形の火山島である。面積は183km2で,日本海上の島としては佐渡島,隠岐島に次ぐ。宗谷支庁に属し,島のほぼ東半分の利尻富士町,西半分の利尻町からなる。利尻富士町にはいずれも港をもつ鴛泊(おしとまり),鬼脇,利尻町には沓形(くつがた),仙法志(せんほうし)の集落があり,その他の小集落が海食崖の上に散在している。すでに幕末のころにはニシンを追い求める漁民が島に渡り,沓形を中心に漁業を営んでいたが,その後明治に入ってからは漁場開発により仙法志でも定住漁業が行われ,やがて沿岸部全域に漁民が定住するようになった。現在も漁業が主産業であるが,零細な沿岸漁業主体で,ホッケ,カレイ,タコなどのほかコンブ,ワカメなどの海草類の生産額が多い。近年はコンブ,ウニの養殖も盛んになってきている。利尻町役場のある沓形は島内最大の漁港で,利尻富士町の町役場のある鴛泊は稚内,礼文島香深(かふか)との間に定期航路で結ばれ島の玄関口にあたる。利尻島,礼文島と北海道本島のサロベツ原野を含む地域は,1974年に利尻礼文サロベツ国立公園に指定され,観光地としても注目されるようになった。この島の観光資源は,海上に突出した秀麗な利尻山とその火山に付随する側火山,火山性扇状地,岩石海岸,湖沼などの地形群,これらの地形面をおおう原生林,草原,高山植物などの植生景観である。なかでも利尻火山と,その周囲に分布する天望山,沓形岬,仙法志御崎,および姫沼,オタドマリ沼,三日月沼などが景勝地として知られている。稚内と利尻島,礼文島を結ぶ航路のほか,稚内~利尻(本泊)間を結ぶ小型機による航空路(2003年稚内便廃止,新千歳空港便が夏期運航から通年運航となる)と,小樽港からのフェリーの便もある(1993年廃止)。海岸沿いに島を一周する道路があり,環状バスが通じる。宿泊施設としては旅館,ユースホステルなどがあり,漁家の副業的な民宿もある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「利尻島」の意味・わかりやすい解説

利尻島
りしりとう

北海道北部、日本海に浮かぶ島。利尻水道を隔てて北海道本島の西約20キロメートルに位置し、北西約10キロメートルの礼文水道(れぶんすいどう)を隔てて礼文島と相対する。全島が成層火山利尻山(1721メートル)からなり、南北19キロメートル、東西14キロメートルのほぼ円形の島。周囲約65キロメートル、面積182.18平方キロメートル。島名はアイヌ語のリシリ(高い島)に由来する。東半部は宗谷(そうや)総合振興局管内の利尻富士町、西半部は利尻町に属す。利尻山は利尻富士ともよばれる美しい円錐(えんすい)火山であるが、山頂部は著しく開析を受けている。山麓(さんろく)にいくつかの寄生火山があり、火山性扇状地を伴っている。集落はすべて海岸部に立地し、コンブ干し場が広がっている。集落を結んで島内を一周するバス道路が通じる。沓形(くつがた)岬、オタドマリ沼、姫沼などの景勝地があり、利尻礼文サロベツ国立公園に指定されている。人口5501(2009)。

[岡本次郎]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「利尻島」の意味・わかりやすい解説

利尻島
りしりとう

北海道北西方,日本海に浮ぶ島。周囲約 50kmのほぼ円形の火山島で,中央部に円錐 (コニーデ) 形の利尻山 (1721m) がある。行政上は利尻町利尻富士町の2町から成り,沿岸に鴛泊 (おしどまり) ,沓形 (くつがた) ,仙法志 (せんほうし) ,鬼脇などの集落が発達。かつてはニシン漁の基地として繁栄した。現在はコンブの採取や,イカナゴ,カレイ,ホッケ,ウニなどの沿岸漁業が行われる。利尻礼文サロベツ国立公園に属し,利尻山や姫沼の景観,高山植物,海食崖の海岸美など観光資源は多彩である。稚内からフェリーが通い,利尻空港への空路もある。海岸線を一周する主要道路が通る。面積 182.11km2。人口 6953 (2000) 。

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百科事典マイペディア 「利尻島」の意味・わかりやすい解説

利尻島【りしりとう】

北海道北端の日本海上にある島。面積182.09km2,近世には〈りいしり〉などとみえ,ニシン・干しアワビ・コンブなどを産していた。利尻町と利尻富士町に分かれる。島全体が中央にそびえる利尻山の山体をなす。礼文(れぶん)島とともに利尻礼文サロベツ国立公園に属する。稚内(わっかない)市から定期船,航空便がある。

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