デジタル大辞泉
「善知識」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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ぜん‐ぢしき【善知識・善智識】
- 〘 名詞 〙 ( 「ぜんちしき」とも )
- ① よき友。良友。自分のことをよく知ってくれている人。
- [初出の実例]「汝、我が為に生々世々の善知識也」(出典:今昔物語集(1120頃か)一)
- ② 仏語。善法、正法を説いて人を仏道にはいらせる人。外から護る外護、行動を共にする同行、教え導く教導の三種を数える。真宗では法主(ほっす)を、禅宗では師僧を尊んでいうことがある。知識。⇔悪知識。
- [初出の実例]「因二善知識一 得二安楽果一」(出典:菅家文草(900頃)一二・践祚一修仁王会呪願文)
- 「善知識は爪上の土よりもすくなし」(出典:日蓮遺文‐三三蔵祈雨事(1275))
- [その他の文献]〔法華経‐提婆達多品〕
- ③ 人を仏道に導く機縁や機会となるもの。
- [初出の実例]「おもはしき物をみんとすれば、父の命をそむくに似たり。これ善知識也」(出典:平家物語(13C前)一〇)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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善知識 (ぜんちしき)
知識というのは知合い,友だちの意味。善友ともいう。悪知識に対する語である。仏教ではとくに指導者をさす場合が多い。これは《摩訶止観(まかしかん)》に3種の善知識を説き,一は外護(げご)の善知識でパトロンとなるもの,二は同行(どうぎよう)の善知識で友人のこと,三は教授の善知識で指導者をさすからである。しかし日本では,この語は主として浄土教で用い,念仏講や同行の指導者をさしている。そして善知識の勧めにしたがえばかならず往生できるという信仰が生じた。これを〈善知識だのみ〉といい,浄土真宗はこれを異端邪義とする。また一方では,念仏の同行はすべて善知識だという思想がある。これは互いに信仰を勧め合うからで,同行即善知識である。これをなお一歩すすめて,自分に不幸を与えた敵も,その不幸を機縁として信仰に入った場合は,逆縁の善知識とする。要するに仏教では,信仰を教えたり勧めたりする者は,すべて善知識である。
執筆者:五来 重
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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善知識
ぜんちしき
kalyāṇamitra
仏教用語。勝友,善親友,知識などと訳される。もとは「善い友人」の意。正法を説いて人を導き入れ,仏道に精進させて解脱させる賢人のこと。禅宗では師家を善知識と呼ぶ場合がある。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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