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労働保護政策 ろうどうほごせいさく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

労働保護政策
ろうどうほごせいさく

労働者の労働条件の最低基準を法的に規制し,労働者の保護をはかろうとする政策。具体的には,労働時間の制限,女性・年少労働者の保護,賃金水準,安全,衛生およびその他の労働契約に関する基準の設定などについて行われる。産業革命後の資本主義社会では,労働者は低賃金,長時間労働,女性・年少労働者の酷使など劣悪な労働条件のもとに労働を強いられた。しかしこうした事態は,労働力の摩滅,能率の低下,災害の頻発などをもたらし,労働者側のみならず資本家側においてもプラスになるものではなかった。かくて 1802年に制定されたイギリスの工場法は,年少労働者の就業時間を規制した世界最初の労働者保護立法であるが,以後イギリスを中心に次第に労働者保護の政策がとられることとなった。こうした動きは労働運動の高まりとともに世界各国に広まり,1919年には国際労働機関 ILOの成立もみられ,労働保護政策としての基準も徐々に国際的に統一され,今日にいたっている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

労働保護政策
ろうどうほごせいさく

社会政策体系の一部をなし、具体的には標準労働日の設定や女性・少年労働の保護に始まる。労働組合運動が公認されるや、この保護水準に労働組合が関与し、社会的危機のもとでは協調主義の労働政策体系に包摂される。
 女性労働者に対する保護は、1999年(平成11)施行の改正均等法(男女雇用機会均等法)によって大きく変化している。改正均等法の施行によって、女性労働者が就労する職種・職務が広がり、性別による取扱いの差は是正されつつある。しかし、成人男子を含む保護基準がかならずしも高いものでないことと、基準規制が弾力化されたことから、労働条件や労働環境はかえって悪化することにもなり、また、女性労働者の保護規程を生物的性差に限定し、母体保護に絞り込む可能性も高い。
 なお、パートタイム労働が非正規労働者として制度的に承認されるとともに、パート労働法(パートタイム労働法ともいう。正称は「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律」)が1993年に制定・施行された。これによって、パートタイム労働の雇用管理の改善が図られることになった。[三好正巳]

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