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過去現在因果経 かこげんざいいんがきょう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

過去現在因果経
かこげんざいいんがきょう

仏教経典。4巻。劉宋の求那跋陀羅 (ぐなばっだら) 訳。過去世において普光如来のもとで出家し修行した釈尊は,その因が実を結んで現在世には成道しえたという仏伝を,釈尊みずから説くという形式で書かれた経典。文章は流麗で,ところどころに大乗思想が現れている。経因果経と,上段に仏伝の図相を入れ,下段に経文を書くという絵巻形式の絵因果経が著わされた。

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デジタル大辞泉の解説

かこげんざいいんがきょう〔クワコゲンザイイングワキヤウ〕【過去現在因果経】

仏伝を述べた経典。4巻。宋に渡ったインド僧求那跋陀羅(ぐなばつだら)が444~453年ごろ漢訳釈迦(しゃか)の自伝の形式で、過去世に善慧仙人として生まれ、普光如来に師事して成仏の予言を受け、その因縁によってこの世に仏陀として生まれたと説く。絵巻形式の絵因果経もある。過現因果経。因果経。

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大辞林 第三版の解説

かこげんざいいんがきょう【過去現在因果経】

仏伝の代表的経典。445~453年頃、求那跋陀羅ぐなばつだらが漢訳。四巻。釈迦の前世とその生涯の大部分を説く。因果経。過現因果経。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

過去現在因果経
かこげんざいいんがきょう

仏伝の一種。南朝宋(そう)(420~478)の求那跋陀羅(ぐなばっだら)訳。4巻。題名の意味は、仏(釈迦(しゃか))の過去世の事蹟(じせき)と、現在世の事蹟(成道(じょうどう)、転法輪(てんぼうりん)など)との間に因果関係のあることを教えるもので、これは譬喩(ひゆ)文学(アバダーナ)の一般的形式である。本経は、舎衛国(しゃえいこく)の祇園精舎(ぎおんしょうじゃ)において、仏が自ら過去世に善慧(ぜんえ)仙人として普光如来(ふこうにょらい)に散華(さんげ)供養して成仏の予言を受けたことを語り、ついで、入胎、出胎、出家、降魔(ごうま)、成道、転法輪、五比丘(びく)をはじめとする弟子衆の教化によって1250人の阿羅漢(あらかん)のできたことなどを説き、最後に善慧仙人以下、過去世の登場人物と現在世の諸人物との対応、同一性を明かして終わる。『開元録(かいげんろく)』によれば、本経の漢訳は6種あり、そのうち『修行本起経(しゅぎょうほんぎきょう)』『太子瑞応本起経(たいしずいおうほんぎきょう)』が現存する異訳であるというが、かならずしも同一内容とはいえない。本経は後世、絵因果経として仏伝の画を付して広く流布された。[高崎直道]

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