勲等(読み)クントウ

デジタル大辞泉 「勲等」の意味・読み・例文・類語

くん‐とう【勲等】

国家社会功績のあった者を表彰するために設けられた勲位等級。最高を大勲位とし、勲一等以下勲八等まであった。現在は数字を用いた等級は廃止され、各勲章で固有の等級名が設けられている。→勲章
[補説]旧勲章の種類・等級と現在の勲章
種類等級現在の勲章
菊花章大勲位菊花章頸飾
大勲位菊花大綬章
大勲位菊花章頸飾
大勲位菊花大綬章
旭日章勲一等 旭日桐花大綬章
勲一等 旭日大綬章
勲二等 旭日重光章
勲三等 旭日中綬章
勲四等 旭日小綬章
勲五等 双光旭日章
勲六等 単光旭日章
勲七等 青色桐葉章
勲八等 白色桐葉章
桐花大綬章
旭日大綬章
旭日重光章
旭日中綬章
旭日小綬章
旭日双光章
旭日単光章

宝冠章勲一等 宝冠章
勲二等 宝冠章
勲三等 宝冠章
勲四等 宝冠章
勲五等 宝冠章
勲六等 宝冠章
勲七等 宝冠章
勲八等 宝冠章
宝冠大綬章
宝冠牡丹章
宝冠白蝶章
宝冠藤花章
宝冠杏葉章
宝冠波光章

瑞宝章勲一等 瑞宝章
勲二等 瑞宝章
勲三等 瑞宝章
勲四等 瑞宝章
勲五等 瑞宝章
勲六等 瑞宝章
勲七等 瑞宝章
勲八等 瑞宝章
瑞宝大綬章
瑞宝重光章
瑞宝中綬章
瑞宝小綬章
瑞宝双光章
瑞宝単光章

文化勲章(等級の設定なし)文化勲章
*旧制度の旭日章・宝冠章は同じ勲等の瑞宝章より上位として運用された。

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精選版 日本国語大辞典 「勲等」の意味・読み・例文・類語

くん‐とう【勲等】

  1. 〘 名詞 〙 国家・社会に功績のあった者を、表彰するため設けられた勲位の等級。
    1. [初出の実例]「勲等は勲績及功労ある者を賞する為めに設くる所の階級にして」(出典:太政官布告第五四号‐明治八年(1875)四月一〇日)

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勲章・褒章がわかる事典 「勲等」の解説

くんとう【勲等】

国家への勲功を賞するために設けられた栄典の等級。明治維新後の1875年(明治8)に勲一等から勲八等までの8等級の勲等が定められ、勲六等以上は旭日章(きょくじつしょう)、勲七等以下は桐葉賞(とうようしょう)が下賜(かし)されることになった。その後最上位の勲等として大勲位(だいくんい)2等級がおかれたりした。このように、勲功を賞するにあたっては、相応の勲等に叙し(叙勲)、そのうえでそれに相当する勲章を贈る(授章)という形式がとられた。つまり、勲等が基本であり、勲章はその表徴(ひょうちょう)であった。その後勲章の種類は増えていったが、その基本設計は変わらなかった。さかのぼる古代律令制度のもとでは、勲等は勲位といわれ、勲一等から勲十二等までの12等級があった。官人の等級が位階制で定められていたのに対し、勲位は対蝦夷(えみし)、対隼人(はやと)などの軍功に対して授けられるものだった。しかし、勲一等は位階では正三位(しょうさんみ)、勲十二等は従八位下(じゅはちいげ)の官人の末席に序列されるというように、処遇は低かった。この勲位は9世紀以降急速に衰え、神社の帯勲(たいくん)に残されるだけになった。明治政府は新たな栄典制度を制定する際、それを復活させるかたちで勲等とし、上記のような等級を定めた。第二次世界大戦後に一時停止された叙勲が1964年(昭和39)に再開されると、勲等もそのまま引き継がれた。しかし、2002年(平成14)8月の閣議決定「栄典制度の改革について」により、等級の簡素化とともに各勲章についていた勲一等などの数字は廃止された。したがって現在は、勲章はそれぞれ名称だけで呼ばれることになったが、最上位の大勲位が残っていること、また勲章の授与を「授章」とせずに、勲等の授与を意味する「叙勲」としているなどからして、勲等の考えがなくなったわけではない。各章が大綬章から6段階に等級分けされていることにもその考えは踏襲されている。

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百科事典マイペディア 「勲等」の意味・わかりやすい解説

勲等【くんとう】

位階勲等

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