改訂新版 世界大百科事典 「北塩原」の意味・わかりやすい解説
北塩原[村] (きたしおばら)
福島県北部,耶麻郡の村。人口3185(2010)。磐梯山の北麓と北斜面の大半を占め,西部は会津盆地北東端にあたる。江戸時代は会津藩領で,檜原は米沢街道の宿場町として発展したが,街道が大峠を通るようになって衰えた。早稲沢,小野川,細野,雄子沢などは木地屋集落であった。1888年の磐梯山噴火により長瀬川がせき止められ,檜原湖,小野川湖,秋元湖,曾原湖,五色沼などの湖沼が生まれたが,細野,雄子沢は泥流下に埋没,檜原も檜原湖底に水没し,集落を移転した。中心集落のある西端の北山地区は水田の多い農業地域で,高冷の檜原地区では高原野菜,花卉栽培が行われている。磐梯朝日国立公園に含まれる磐梯高原は裏磐梯とも呼ばれ,第2次大戦後の観光開発が目ざましく,西吾妻スカイバレー(2003年無料開放),磐梯ゴールドライン,磐梯吾妻レークライン,檜原ビューラインの有料道路が通じ,檜原湖,五色沼周辺にはホテル,旅館,民宿が多い。また村内の三つのスキー場を中心に大規模リゾート開発が行われた。大塩には古くから近郷の湯治客の多い大塩裏磐梯温泉(弱食塩泉,40℃)がある。二児(ふたつご)詣りで知られる漆薬師(北山薬師)があり,雄国沼湿原植物群落は天然記念物に指定されている。
執筆者:佐藤 裕治
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報