五色沼(読み)ゴシキヌマ

デジタル大辞泉 「五色沼」の意味・読み・例文・類語

ごしき‐ぬま【五色沼】

福島県中北部、磐梯山ばんだいさん北麓の磐梯高原にある小湖沼群。明治21年(1888)、磐梯山の爆発による泥流のくぼ地に地下水がたまってできたもの。毘沙門びしゃもん・赤・深泥みどろ弁天・青・瑠璃るり・柳・弥六などの沼がある。泥流中から溶け出た鉱物の違いにより、青や緑など湖水が多彩な色を示すことからこの名がついた。3.7キロメートルの散策路がある。磐梯朝日国立公園に属する。
山形宮城県境、蔵王山にある火口湖御釜おかまの通称。直径約360メートル。有史以降、噴火活動を繰り返している。火山物質を多く含む湖水が、気候条件により緑や青などさまざまな色に変化することからの名。

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改訂新版 世界大百科事典 「五色沼」の意味・わかりやすい解説

五色沼 (ごしきぬま)

福島県中央北部,磐梯高原にある湖沼群。耶麻(やま)郡北塩原村に属する。1888年の磐梯山爆発によって流下した泥流のくぼ地に湛水したもので,檜原(ひばら)湖畔より東へ約3kmにわたって弥六沼,柳沼,青沼,瑠璃るり)沼,弁天沼,竜沼,深泥(みどろ)沼,赤沼毘沙門沼などの小湖沼が点在する。吾妻火山の火口湖や,日光白根山付近の堰止湖にも同名の沼があるので,とくに磐梯五色沼ともいう。湖水には火山噴出物の鉱物が溶け込み,緑色,白みを帯びた青色,やや赤みを帯びた青色など,多彩な水色を示す。水質も沼により異なり,柳沼以外は酸度が高く,特に赤沼は強酸性で鉄,マンガンの含有量が多い。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「五色沼」の意味・わかりやすい解説

五色沼
ごしきぬま

福島県北部、磐梯山(ばんだいさん)北麓(ほくろく)に点在する湖沼群。1888年(明治21)7月、磐梯山大爆発で押し出された泥流堆積(たいせき)地のくぼ地に水がたまったもので、無数の小沼が約3キロメートルにわたって分布する。位置により次の三つに分けられる。西から柳沼湖沼群(やなぎぬまこしょうぐん)(弥六(やろく)沼、柳沼など)、弁天湖沼群(弁天沼、るり沼、青沼など)、毘沙門沼湖沼群(びしゃもんぬまこしょうぐん)(深泥(みどろ)沼、赤沼、井戸沼など)で、水質の違いでそれぞれ特有の色を呈する。とくに、るり沼などは硫酸カルシウム粒子を含むため白色を帯びた青色をみせ、また赤沼は鉄の酸化物が水生植物に付着するため、湖面が赤みを帯びている。

 なお、磐梯山北東方にある吾妻山(あづまやま)の一切経山(いっさいきょうやま)と家形山(いえがたやま)間にも五色沼がある。面積0.03平方キロメートル。火口湖で、濃い藍(あい)色の水面が天候によって五色に変化するといわれる。

[中村嘉男]


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百科事典マイペディア 「五色沼」の意味・わかりやすい解説

五色沼【ごしきぬま】

福島県北部,磐梯朝日国立公園中の磐梯高原に散在する200余の小湖沼群。毘沙門(びしゃもん)沼,弁天沼,瑠璃(るり)沼,青沼などが主。1888年の磐梯山爆発で流出した泥流のくぼみに湛水(たんすい)したもの。イオンや沈殿物の種類,深さなどの関係で沼によって緑,青,赤などの色を呈する。
→関連項目磐梯高原

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「五色沼」の意味・わかりやすい解説

五色沼
ごしきぬま

福島県北部,磐梯朝日国立公園磐梯高原に散在する小湖沼群の総称。檜原湖から小野川湖への流入水路である長瀬川の南の湖群をいう。 1888年7月,磐梯山の爆発により北麓一帯に溶岩流が大量に流下し,泥流の窪地に地下水が湛水し形成。湖沼の数は 80以上,標高は 750~850m。火山噴出物に含まれる鉱石の作用や水深の違いなどで,緑,赤,藍など鮮かな色彩を帯び,毘沙門沼,弁天沼,瑠璃沼,青沼などが有名。 3.7kmの散策路がある。 JR磐越西線猪苗代駅からバスの便がある。県下有数の観光地。

五色沼
ごしきぬま

栃木県西端,白根山 (2578m) と前白根山 (2377m) との間にある堰止湖。水面標高 2174m。面積 0.087km2,最大深度 5m。南北に長い楕円形。花畑に囲まれる貧栄養型の高山湖。湖面の色が季節や見る角度によってさまざまに変化するので五色沼と名づけられたと伝えられる。

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デジタル大辞泉プラス 「五色沼」の解説

五色沼

宮城県、蔵王連峰の五色岳山頂に位置する火口湖「御釜」の別称。日光の当たり具合で湖水の色が微妙に変化することから。

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