福島県耶麻郡猪苗代町と北塩原村の境にある湖。檜原湖,小野川湖と並ぶ裏磐梯(檜原)三湖の一つ。1888年磐梯山の大爆発によって流下した泥流が,中津川谷の入口付近に位置した秋元集落を埋没させ,大倉川の谷をもせき止めて湛水した湖で,湖岸線は複雑である。面積3.9km2,東西に細長い。最大深度は34.1m,中津川入江に30.2mの副湖盆がある。水質は中性に近く,透明度が3.8mと低いわりには貧栄養湖に近い中栄養湖である。1916年からの堰堤(えんてい)工事で湖面標高が725mから736mとなった。南岸の取水口から長さ約5kmのトンネルで落差200mを利用した秋元発電所(最大出力9万3600kW)まで導水している。湖北を磐梯吾妻レークラインが通り,北岸に注ぐ中津川は渓谷美で知られる。
執筆者:大澤 貞一郎
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福島県北部、耶麻(やま)郡猪苗代町(いなわしろまち)と北塩原村にまたがる湖。面積3.9平方キロメートル、水面標高736メートル、最大深度33.2メートル。1888年(明治21)磐梯山(ばんだいさん)の爆発とともに押し出された泥流により長瀬川の支流中津川、大倉川の谷がせき止められて生じた。1919年(大正8)排水地点に堰堤(えんてい)を築き水位の維持を図るとともに、発電、灌漑(かんがい)利用が可能となった。北岸を磐梯吾妻(あづま)レークラインが通る。磐梯朝日国立公園の一部。
[中村嘉男]
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