北曲(読み)ホッキョク(その他表記)Bei-qu

デジタル大辞泉 「北曲」の意味・読み・例文・類語

ほっ‐きょく〔ホク‐〕【北曲】

中国、北方系の歌曲、およびそれに基づく戯曲代に成立代に盛行し、元曲とよばれたが、明代に南曲におされて衰微

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精選版 日本国語大辞典 「北曲」の意味・読み・例文・類語

ほっ‐きょくホク‥【北曲】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 中国、北方系の歌曲、およびそれをもとにした戯曲。金代に院本として発達し、元代には首都大都(北京)を中心全盛をきわめ、元曲とも呼ばれたが、明代には南方系の南曲におされて衰えた。
  3. 北の隅。〔白居易‐題新居寄宣州崔相公詩〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「北曲」の意味・わかりやすい解説

北曲
ほっきょく
Bei-qu

中国の古典演劇の一つ。北方系の歌曲を基調とした戯曲。南方系の南曲に対する。正式には「雑劇」といい,またその最盛期が元代で,中国戯曲史上でも最もすぐれた作品を多く生んだので,「元曲」の名で総称されることが多く,北曲とはその歌曲だけをさすことがある。関漢卿馬致遠白仁甫王実甫らが,それぞれ『竇娥冤 (とうがえん) 』『漢宮秋』『梧桐雨』『西廂記』を代表作として活躍し,その傑作は,ほぼ『元曲選』に収められている。 14世紀に入り,演劇の中心が南方の杭州に移るにつれ,次第に衰退し,明初にはなお北曲の作家が出たが,やがて南方系の歌曲を基調とする南曲に取って代られた。

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百科事典マイペディア 「北曲」の意味・わかりやすい解説

北曲【ほっきょく】

雑劇

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普及版 字通 「北曲」の読み・字形・画数・意味

【北曲】ほくきよく

元曲。

字通「北」の項目を見る

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「北曲」の解説

北曲(ほっきょく)

元曲(げんきょく)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「北曲」の意味・わかりやすい解説

北曲
ほっきょく

元曲

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旺文社世界史事典 三訂版 「北曲」の解説

北曲
ほっきょく

元曲

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世界大百科事典(旧版)内の北曲の言及

【雑劇】より

… 元雑劇は先行する風刺寸劇〈院本〉や語り物形態〈諸宮調〉を母体として生まれた,最初の満足すべき演劇形態であり,大量の脚本を残存する。この形態は〈北曲〉とも呼ばれるように,北方系音楽による歌劇で,伴奏楽器は琵琶などを主体に簫・笛を加え,別にリズム楽器として太鼓・拍板を用いる。幕はもとより背景その他舞台装置はなく,わずかに机・椅子や手に持つ小道具があるだけで,あらゆる時間と空間は曲(うた)・白(せりふ)・科(こなし)によって自在に設定される。…

※「北曲」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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