北村四海(読み)きたむらしかい

精選版 日本国語大辞典 「北村四海」の意味・読み・例文・類語

きたむら‐しかい【北村四海】

  1. 彫刻家長野出身宮彫師だった父に学び、上京して島村俊明小倉惣次郎師事。パリ留学後、大理石彫刻家として「水の精」「イヴ」などの作品発表。文展審査員。明治四~昭和二年(一八七一‐一九二七

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20世紀日本人名事典 「北村四海」の解説

北村 四海
キタムラ シカイ

明治〜昭和期の彫刻家



生年
明治4年2月12日(1871年)

没年
昭和2(1927)年11月14日

出生地
長野県長野市

本名
北村 直次郎

主な受賞名〔年〕
彫工会展3等賞(第13回)〔明治31年〕,美術協会展2等銀賞〔明治32年〕,文展3等賞〔明治40年・大正4年〕「春秋」「イヴ」

経歴
生家は代々宮彫師。少年の頃から父に社寺の装飾彫刻を学び、23歳で上京して島村俊明に木彫を学ぶ。明治28年日本美術協会展で木彫「神武天皇像」が1等賞受賞。29年小倉惣次郎に彫塑を学び、以来塑像制作を主とする。33年パリに渡り、石彫を学び、帰国後、大理石の産出が少ない日本で大理石彫刻の道を開いた。40年東京府勧業博覧会で賞に対する不満から自作「霞」を破壊して話題となったこともある。大正8年帝展審査員となる。代表作に「春秋」「水の精」「イヴ」など。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「北村四海」の意味・わかりやすい解説

北村四海
きたむらしかい

[生]明治4(1871).2.11. 長野
[没]1927.11.14. 東京,滝野川
彫刻家。幼時より宮彫師の父,北村正信とともに社寺の装飾彫刻に従事し,1893年上京して牙彫家の島村俊明に学んだが,小倉惣次郎新海竹太郎らと知合い洋風彫刻に転じた。 1900年新海とともに渡仏,02年に帰国してからは,太平洋画会会員となり,08年から同会研究所で彫刻技法を指導した。文展で受賞を重ね,第 10回文展以後審査員をつとめた。日本では珍しい大理石彫刻家として知られ,典雅作風を示した。主要作品『婦人胸像』『泉』『春秋』,『イヴ』 (1915,東京国立近代美術館) 。

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朝日日本歴史人物事典 「北村四海」の解説

北村四海

没年:昭和2.11.14(1927)
生年:明治4.2.12(1871.4.1)
明治期の彫刻家。本名直次郎。わが国の洋風彫刻がブロンズ像から始まったのに対し,大理石など石を用いた洋風彫刻を本格的に研究,制作した。長野市の宮大工の家に生まれ,少年期から家業に従事。明治28(1895)年,日本美術協会展で木彫「神武天皇像」が1等賞を受け,この折に安田善次郎に見いだされ,以後終生彫刻研究の金銭的補助を受ける。33年渡欧し,石彫を中心に研究して35年に帰国,「イヴ」(東京国立近代美術館蔵),「水の精」(信濃美術館蔵)など理想化した人体により物語や抽象概念を表す作品を制作した。40年,東京勧業博覧会では,審査への不満から自作を会場で破壊,撤去して話題になった。

(山梨絵美子)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「北村四海」の意味・わかりやすい解説

北村四海
きたむらしかい
(1871―1927)

彫刻家。長野市の宮彫(みやぼり)師の家に生まれる。少年時から家業を学び、1893年(明治26)上京して牙彫家(げちょうか)島村俊明に師事、96年から小倉惣次郎(そうじろう)のもとで大理石彫刻を始め、軍医について解剖学を勉強した。1900年(明治33)渡仏し、彫塑を学んだ。07年東京勧業博覧会に出品した『霞(かすみ)』を自ら破壊して話題となった。08年第2回文展で『春秋』、15年(大正4)第9回文展で『イヴ』がそれぞれ三等賞。文展審査員を務め、日本の大理石彫刻の先駆者である。

[三木多聞]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「北村四海」の解説

北村四海 きたむら-しかい

1871-1927 明治-大正時代の彫刻家。
明治4年2月12日生まれ。宮彫師(みやぼりし)の父について修業。明治26年上京,島村俊明(しゅんめい)に木彫を,小倉惣次郎(おぐら-そうじろう)に塑造をまなぶ。33-35年パリに留学。西欧伝統の大理石彫刻を日本に導入,裸体像にすぐれた。昭和2年11月14日死去。57歳。信濃(しなの)(長野県)出身。本名は直次郎。代表作に「春秋」「イヴ」。

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367日誕生日大事典 「北村四海」の解説

北村 四海 (きたむら しかい)

生年月日:1871年2月12日
明治時代-昭和時代の大理石彫刻家
1927年没

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