北栄(読み)ほくえい

改訂新版 世界大百科事典 「北栄」の意味・わかりやすい解説

北栄[町] (ほくえい)

鳥取県中部,東伯郡の町。2005年10月大栄(だいえい)町と北条(ほうじよう)町が合体して成立した。人口1万5442(2010)。

北栄町西部の旧町。東伯郡所属。人口9050(2000)。日本海に面し,町域は大山火山灰土に覆われた丘陵地帯,旧潟湖の埋積平野,北条砂丘からなる。中心集落の由良は伯耆街道沿いの宿場町,由良川河口の港町として古くから発展し,江戸時代には鳥取藩の藩倉が置かれた。由良川河口には幕末につくられた反射炉と砲台の跡が残る。県下有数の農業地帯で米作二十世紀梨栽培のほか,揚水灌漑を施した砂丘地でのナガイモ,アスパラガス,スイカの栽培が盛んである。東高尾の観音寺には45体の仏像があり,うち2体が重要文化財に指定されている。JR山陰本線,国道9号線が通る。

北栄町東部の旧町。東伯郡所属。人口7865(2000)。天神川河口西岸に位置し,町域は北条砂丘,倉吉平野に属する低湿な北条平野,南部の丘陵地からなる。かつての北条郷に当たり,水田地帯には条里制の遺構や四ノ坪,五ノ坪などの条里地名が残る。県下有数の農業の町で,低湿地では米作,山麓では二十世紀梨の栽培,砂丘では動力揚水灌漑によるブドウタバコ,ナガイモの栽培が行われる。JR山陰本線,国道9号線が通り,近年国道沿いに缶詰,繊維関係の工場が進出している。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「北栄」の意味・わかりやすい解説

北栄(町)
ほくえい

鳥取県中央部、東伯(とうはく)郡にある町。2005年(平成17)10月、東伯郡北条町(ほうじょうちょう)、大栄町(だいえいちょう)が合併して成立。県内有数の農業の町で、北は日本海に臨んで北条砂丘が広がり、ナガイモ、ラッキョウ、ブドウ、葉タバコなどが、南部の大山(だいせん)東麓の丘陵地帯では全国ブランドの大栄スイカなどが生産される。西日本最古のワイナリー「北条ワイン醸造所」が当地産のブドウでつくる北条ワインは高名。JR山陰本線、国道9号が東西に走り、東部を南北に北条倉吉道路(国道313号)が通じる。かつては潟湖であったといわれる北条島(ほうじょうしま)地区の島遺跡では、県下で数少ない貝塚が発見された。ほかに鹿・鳥・人物・家などの形象埴輪が出土した土下(はした)古墳群、幕末に瀬戸(せと)村の大庄屋武信(たけのぶ)家が鋳鉄製の大砲をつくるために建設した六尾の反射炉跡(むつおのはんしゃろあと)、この大砲を備え付けるため築造された鳥取藩の由良台場跡(ゆらだいばあと)(国指定史跡)など、多くの歴史遺産がある。江戸時代に鳥取藩の米倉が置かれた由良宿は、一帯の商業の中核として栄えた。大正期に桑苗農具市として始まった「ゆら市」は、フリーマーケット、イベントの充実などの模様替えを行い、現在も続く。北栄みらい伝承館(北条歴史民俗資料館)では、江戸後期から本格的に始まった砂丘開拓のあゆみが概観できる。面積56.94平方キロメートル、人口1万4228(2020)。

[編集部]


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百科事典マイペディア 「北栄」の意味・わかりやすい解説

北栄[町]【ほくえい】

鳥取県北部に位置する東伯郡の町。町の北部を日本海に面する。2005年10月,東伯郡北条町,大栄町が合併し町制。JR山陰本線,国道9号線,313号線が通じる。56.94km2。1万5442人(2010)。

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