北海道東方沖地震(読み)ホッカイドウトウホウオキジシン

デジタル大辞泉 「北海道東方沖地震」の意味・読み・例文・類語

ほっかいどうとうほうおき‐じしん〔ホクカイダウトウハウおきヂシン〕【北海道東方沖地震】

平成6年(1994)10月4日に発生し、北海道東部に被害を及ぼした地震震源は北海道根室半島沖。マグニチュード8.2。釧路くしろ市と厚岸あっけし町で震度6を観測した。震源に近い択捉えとろふは、地震と津波で大きな被害を受けた。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「北海道東方沖地震」の意味・わかりやすい解説

北海道東方沖地震
ほっかいどうとうほうおきじしん

1994年 10月4日午後 10時 23分頃に色丹島沖の北海道東方沖で発生したマグニチュード 8.2 (気象庁) の地震。気象庁による正式名称は「平成6年 (1994年) 北海道東方沖地震」。震源は北緯 43°22.5′,東経 147°40.4′。震源の深さは約 28km。長さ 120km,幅 50kmの横ずれ成分の大きい逆断層型の地震が深さ 50km付近を中心に発生したことが地震波から推定された。この地震の発生した北海道東方沖は太平洋プレートの沈み込みに伴って,1969年の地震 (マグニチュード 7.8) のように低角逆断層型地震が繰り返し発生しているが,1994年のこの地震は発生場所がやや深いことと断層が低角逆断層ではないことから,沈み込んでいる太平洋プレート内部が破壊した地震と考えられている。この地震に伴い北海道から本州の太平洋岸を中心に津波が観測された。最大の津波高 173cmが花咲港 (北海道根室市) で観測されたほか,父島でも 81cm,またハワイ諸島ミッドウェー諸島でも 20~30cmの津波が報告された。余震本震の断層域を含む東西約 150km,南北 100kmの領域で発生し,10月9日にはマグニチュード 7.0の最大余震が起こった。北海道東方沖地震では北海道東部の釧路厚岸で最大震度6を記録したほか,北海道から東北地方,関東地方,中部地方の広い範囲でゆれを感じた。日本国内では,重傷 32人を含む負傷者 437人,全壊 61棟をはじめ津波による浸水を含む家屋の被害は 7688棟が報告された (総務省消防庁調べ) 。ライフラインの被害としては,JR根室本線,釧網本線のほか国道4路線が一時不通となった。また地震直後に約4万 6000戸が停電した。このほか択捉島では 10人以上の死者・行方不明者が報じられた (アメリカ地質調査所) 。

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