日本大百科全書(ニッポニカ) 「北海道横断自動車道」の意味・わかりやすい解説
北海道横断自動車道
ほっかいどうおうだんじどうしゃどう
北海道の中央部と道東部を東西につなぐ高速道路。管理は東日本高速道路。(1)起点の黒松内(くろまつない)町から、札幌市の北部を経て、札幌市の東部から千歳(ちとせ)市の間は北海道縦貫自動車道と重複利用し、夕張(ゆうばり)市、十勝(とかち)平野、釧路(くしろ)市を経て、終点の根室(ねむろ)市に至る根室線と、(2)本別(ほんべつ)町付近で根室線と分岐して、北見(きたみ)市を経て網走(あばしり)市に至る網走線の2路線がある。総延長は694キロメートル、全区間4車線(一部は暫定的に2車線)。この道路は、大雪(たいせつ)山から日高(ひだか)山脈に至る急峻(きゅうしゅん)な山岳地により隔てられた道央部と道東部の交通を、時間的にも量的にも改善してその交流を促進し、諸産業の振興に役だつほか、冬季の交通状況を改善して沿線の生活利便の向上をもたらすものである。また、札幌市の北部を迂回(うかい)する区間は、札幌都市圏の環状線として建設されている札幌新道とともに、都市圏の形成を促進する役割ももっている。
2012年(平成24)3月時点で、小樽市―札幌市間(札樽(さっそん)自動車道)38キロメートル、千歳市―浦幌(うらほろ)町および足寄(あしょろ)町間214キロメートルが開通している。本別町―釧路市間、足寄町―北見(きたみ)市間については、国土交通大臣が整備主体となる新直轄方式で建設されている。
[下保 修]