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医療経済学 いりょうけいざいがくmedico economics

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

医療経済学
いりょうけいざいがく
medico economics

保健,医療領域における諸問題を経済学的に分析,研究する新しい学問分野。医療経済学あるいは保健経済学という名称はアメリカでは 1950年代から使われるようになり,日本でも 60年代以降次第に一般化してきているが,その定義,対象,方法に関しては論者により相違がみられる。保健・医療問題と経済現象とのかかわりについては,すでに 19世紀から公衆衛生学,社会衛生学などで,貧困と疾病の悪循環や,保健事業,環境改善事業への投資による労働力の確保や救貧費用の削減などが取上げられていた。しかし最近,医療経済学の名称が使われ,経済学者が保健・医療問題を取上げるようになったことには,国民医療費の増大をはじめとする医療矛盾の激化,医薬品・医療機器産業の進出などの背景があり,国レベルでの医療費問題の分析などが進められている。医療経済学に対しては,人権であり絶対的価値である健康にかかわる問題を,従来の市場原理に立つ経済学で扱うことの限界,あるいは危険性の指摘もある。またマルクス経済学の立場からは,健康問題や医療問題と医療制度,医療政策,医療産業,経済体制などとのからみ合いを,政治・経済学的に分析していく学問として医療経済学の名称が使われている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典 第2版の解説

いりょうけいざいがく【医療経済学 health economics】

保健や医療をめぐる経済問題を分析する接近法は多様であるが,医療経済学という学問が経済学の一応用分野として確立しはじめるのは,1970年代にはいってからである。先駆的研究としては1960年代中ごろに公にされたアメリカのK.J.アローやM.S.フェルドスタインの分析などがあげられる。それ以前にもいくつかの研究が散見されるが,それは,健康や医療行為を労働力を生む人的資源への投資という側面を強調してとらえすぎたきらいがある。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

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