芽室(読み)めむろ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「芽室」の意味・わかりやすい解説

芽室(町)
めむろ

北海道中南部、十勝(とかち)総合振興局管内の町。帯広(おびひろ)市の西に接し、十勝平野の一部を占める。町名アイヌ語の「メムオロ」(池から流れている川の意)に由来。1942年(昭和17)町制施行。JR根室(ねむろ)本線、国道38号が通じ、道東自動車道芽室インターチェンジ、帯広広尾自動車道芽室帯広インターチェンジがある。町域は十勝川沖積地と、標高80~200メートルの火山灰に覆われた洪積台地からなり、十勝地方の代表的畑作酪農地帯となっている。主要農作物はサトウダイコンテンサイ)、ジャガイモ豆類小麦スイートコーンで、乳牛は約6800頭、年間牛乳生産量は約3万5000トン(2014)。肉用牛飼育や養豚などの畜産も多い。日本を代表する機械化農業地帯でもあり、国道沿いにはトラクターのディーラーや農作機械のメーカーが並ぶ。機械器具、食品などの工業も行われ、日本甜菜(てんさい)製糖の精糖工場がある。面積513.76平方キロメートル、人口1万8048(2020)。

[進藤賢一]

『『芽室町百年史』(2000・芽室町)』


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改訂新版 世界大百科事典 「芽室」の意味・わかりやすい解説

芽室[町] (めむろ)

北海道南東部帯広市の西に位置する十勝支庁河西郡の町。人口1万8905(2010)。地名はアイヌ語に由来するといわれる。町域の大部分は標高80~200mの火山灰土におおわれた台地上にあり,北部を十勝川が東流し,南西境には日高山脈ピパイロ岳がそびえる。市街地は十勝川と支流美生(びせい)川の合流点南方にあり,根室本線,国道38号線が通じる。道東自動車道のインターチェンジがある。1886年ころに開拓団体晩成社の鈴木銃太郎らが入植して開拓が始まった。十勝平野の中心的な畑作地帯で,テンサイ,ジャガイモ,小麦,大豆を産し,酪農,肉牛生産も行われる。農産加工業も盛んで,大規模な製糖工場がある。国道沿いに工業団地があり,工業化も進んでいる。
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百科事典マイペディア 「芽室」の意味・わかりやすい解説

芽室[町]【めむろ】

北海道河西(かさい)郡の町。帯広市の西隣で根室本線,道東自動車道が通じる。西部は日高山脈,中部と東部は十勝平野で,北部を十勝川が横切る。豆類,ジャガイモ,小麦を産し,食品加工も盛ん。帯広市への通勤者も多い。513.76km2。1万8905人(2010)。

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