新得(読み)しんとく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「新得」の意味・わかりやすい解説

新得(町)
しんとく

北海道中南部十勝(とかち)総合振興局管内の町。十勝川の上流域を占める。1933年(昭和8)町制施行。町名はアイヌ語「シントコ」(清らかな水が流れる所)に漢字をあてたといわれるが、異説もあり一定しない。町域は南北に長く、面積も1063.83平方キロメートルと広大だが、石狩山地日高山脈十勝岳火山群が大部分を占め、平地南端に限られる。国道38号、JR根室(ねむろ)本線・石勝(せきしょう)線が通じ、中心地区は新得。明治末期から開拓が進み、ジャガイモ、サトウダイコンなどの畑作酪農、肉牛飼養と林業、木材工業が主産業で、道立新得畜産試験場がある。北部は大雪(たいせつ)山国立公園域で、十勝川上流にはトムラウシ温泉がある。また狩勝(かりかち)高原にはサホロリゾートがあり、スキー、ゴルフ、テニス、サホロ湖でのカヌーなどができる。ほかに十勝平野を望む狩勝峠展望台、新得山スキー場、オソウシ温泉、新得温泉などがある。人口5817(2020)。

[古川史郎]

『『新得町七十年史』(1972・新得町)』


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改訂新版 世界大百科事典 「新得」の意味・わかりやすい解説

新得[町] (しんとく)

北海道中南部にある十勝支庁上川郡の町。人口6653(2010)。南大雪の山岳地帯を含み,北にトムラウシ山(2141m),北西に十勝岳(2077m)がそびえる十勝川の上流域に位置する。南北に細長く,面積は東京都の1/2にあたるほど広い。町の南端にあってJR根室本線が通じる中心市街地新得は,1907年の鉄道開通以来,西に狩勝(かりかち)峠をひかえる鉄道の町として発展した。また森林が町域の大部分を占めるため,製材,チップ,合板など木材工場が立地する。町域の南東部,十勝川流域には農用地が開け,豆類,テンサイを主とする畑作と乳牛飼養が行われる。北部は大雪山国立公園に指定されている。国道38号線が通る狩勝峠は十勝平野を一望する雄大な眺めで知られる。十勝川上流のトムラウシ温泉(食塩泉,95℃)は南大雪への登山基地にもなっている。
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百科事典マイペディア 「新得」の意味・わかりやすい解説

新得[町]【しんとく】

北海道中央部,上川郡の町。根室本線が通じる。北西境に十勝岳がそびえ,西境に狩勝(かりかち)峠があり,東部を十勝川が南流する。南部の平野は肥沃な耕地で,豆類,ジャガイモ,テンサイを産する。木材加工や農産加工も盛んで,酪農も行われる。北部は大雪山国立公園に属する。1063.83km2。6653人(2010)。

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