十進法(読み)ジッシンホウ(英語表記)decimal system

翻訳|decimal system

デジタル大辞泉 「十進法」の意味・読み・例文・類語

じっしん‐ほう〔‐ハフ〕【十進法】

decimal number system》数の記数法の一。基数10とし、0から9まで10個の数字を使い、10倍ごとに上の位に上げていく表し方。日常生活で最も使われている。

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精選版 日本国語大辞典 「十進法」の意味・読み・例文・類語

じっしん‐ほう‥ハフ【十進法】

  1. 〘 名詞 〙 記数法の一つ。一〇個の数字を用いて一〇ずつまとめて上の位に上げていく表わし方。日常用いている数の表記法で、人間の手の指との対応からきたといわれている。〔数学ニ用ヰル辞ノ英和対訳字書(1889)〕

じゅっしん‐ほう‥ハフ【十進法】

  1. 〘 名詞 〙じっしんほう(十進法)

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改訂新版 世界大百科事典 「十進法」の意味・わかりやすい解説

十進法 (じっしんほう)
decimal system

われわれが日常に使っている数の表し方で,例えば8962は8000+900+60+2を意味する。1の桁,10の桁,100の桁,1000の桁というように,1桁上がるごとに10倍になっている。このように10をもとにして数を表すので十進法と呼ばれる。もともとは,人間の手の指の数が10本であることから,10ごとを単位にして物を数え,そこから十進法が考案され,発展してきたことはまちがいないであろう。しかし,すべての文化圏で十進法が主流であったわけではない。エジプト中国ギリシアインドなどでは古くから十進法が広く利用されていたが,例えばメソポタミアでは六十進法が日常的であった。われわれの生活の中でも十進法が基本であるが,十二進法,六十進法などの要素も混在している。原始的な文化圏を調べると,もっとも多く使われているのは十進法であるが,それ以外に,二進法,三進法,五進法,二十進法などの要素がある程度使われている場合もある。
記数法
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「十進法」の意味・わかりやすい解説

十進法
じっしんほう
decimal system

記数法の一つであって,たとえば,整数 1985は,

1985=1×103+9×102+8×10+5

で表わされる。すなわち,10個の数0,1,2,3,4,5,6,7,8,9を用いて,10ずつひとまとめにして,上の位へ繰上げていく数の表わし方である。一般に n 桁の整数 an-1an-2a1a0 は,an-110n-1an-210n-2+…+a110+a0 を意味する。ただし 0≦a0a1,…,an-2≦9 ,1≦an-1≦9 である。この記数法を 10を底とする十進法という。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「十進法」の意味・わかりやすい解説

十進法(じっしんほう)
じっしんほう

数を名づけたり、表したりする記数法の代表的なもので、10ずつのまとまりをつけて行う方法。整数の場合は、1が10個集まって10、10が10個集まって100、100が10個集まって1000というように、10ずつ集まって上の位に進む。324といえば、100が三つと10が二つと1が四つとをあわせた数である。1より小さい小数については、1を10等分したものが0.1、それをさらに10等分したものが0.01というように、10等分ずつで下の位に進む。小数についても、0.01を10個集めると0.1になり、整数の場合と同じように、10ずつで上の位に進む仕組みになっている。このような数の名づけ方を十進命数法という。普通用いる記数法はこの十進命数法に基づいているので、十進記数法という。10ずつでなく、2ずつの集まりで上の位に進む方法もある。これが二進法である。

[三輪辰郎]


十進法(じゅっしんほう)
じゅっしんほう

十進法

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百科事典マイペディア 「十進法」の意味・わかりやすい解説

十進法【じっしんほう】

現在日常に用いられている数の表記法。10個の数学(現用は0,1,2,…,9のいわゆるアラビア数字)を用い,10ずつまとめて上の位に繰り上げる。人間の手指との対応からきたもので,古代諸民族で用いられ,特にインド,アラビア,中国で発達。→二進法六十進法
→関連項目記数法

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世界大百科事典(旧版)内の十進法の言及

【インド数学】より

… 狭義のガニタに属する現存最古の文献は,アールヤバタ著《アールヤバティーヤ》(499)の一章をなす〈ガニタパーダ〉である。これは冒頭の帰命偈とそれに続く32詩節から成り,十進法位取り表記における各位の名称(1詩節),平方,開平方,立方,開立方の基本演算(4詩節),図形に関する数学(17詩節),数量に関する数学(11詩節)という構成になっている。最後の2詩節は二元一次不定方程式の解法(クッタカと呼ばれる)を与える。…

【n進法】より

…例えば,われわれはふつうに自然数を表すとき,10を基本にして,0から9までの数字を使っている。これは十進法と呼ばれている。歴史的には,十進法のほかに,文化圏によって五進法,二十進法,六十進法などが使われた。…

【記数法】より

…前者の表し方には次の三つの特徴がある。(1)十進法,(2)桁を数の位置で表す,すなわち位取りの原則,(3)10個の数字だけを使っている。文化圏によって種々の記数法が考案され,使われてきたが,この3特徴すべて備えたものは6世紀までにインドで確立されたものと考えられている。…

【数詞】より

…〈配分数詞〉はラテン語terni(三つずつ),deni(10ずつ)などのようなものを,〈倍数詞〉はラテン語triplex(三重の),英語triple,threefold(同前)などのようなものを,〈分数詞〉は英語half(1/2),quarter(1/4)などのようなものを,〈集合数詞〉はフランス語dizaine(10(個),10(個)くらい),ロシア語dvoe(2個),troe(3個)などのようなものをいい,〈不定数詞〉は不定数を表す英語all(すべての),many(多くの),some(若干の)などのようなもの(あるいはさらにlittle,muchなど不定量を表すようなもの)をさすのが普通である。 数詞の構成は,日本語や英語などでは十進法であるが,英語でも11eleven,12twelveのあとは13thirteen,14fourteen…となっていくところに十二進法が,20をscoreといい,twoscore,threescore…が40,60…を表している例に二十進法の姿がうかがわれる。アイヌ語も二十進法の一例とされ,30=2×20-10,40=2×20,50=3×20-10,…,100=5×20の表現形式をとっていて減法の例でもある。…

※「十進法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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