表記法(読み)ヒョウキホウ

デジタル大辞泉 「表記法」の意味・読み・例文・類語

ひょうき‐ほう〔ヘウキハフ〕【表記法】

文字およびその補助記号を用いて、言葉を書き表す方法縦書き横書き分かち書き仮名遣い送り仮名句読法おどり字使い方など。

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精選版 日本国語大辞典 「表記法」の意味・読み・例文・類語

ひょうき‐ほうヘウキハフ【表記法】

  1. 〘 名詞 〙 ことばを文字で書き表わす時のきまり。文字の選び方、組み合わせ方(かなづかい・送りがななど)、分かち書きなど語のくぎり方、句読点など補助符号の使い方、縦書き・横書きなど。
    1. [初出の実例]「本邦古代に於ける表記法は、一音一字の組織にて」(出典:国語学概論(1909)〈亀田次郎〉五編)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「表記法」の意味・わかりやすい解説

表記法
ひょうきほう

言語を文字や符号で書き表すうえでの規則をいう。日本語では、(1)文章の表記に関するもの 使用文字(漢字専用、漢字平仮名交じり、漢字片仮名交じり、平仮名専用、片仮名専用、ローマ字専用)、文字の配列順(縦書き、横書き、右書き、左書き)、段落・図表・図版などの示し方、(2)文の表記に関するもの くぎり符号(句点読点、疑問符、感嘆符、カンマ、ピリオド)、くくり符号(括弧(かっこ)、かぎ)、分かち書き、(3)語の表記に関するもの 漢字・仮名の使い分け、仮名遣い、送り仮名、振り仮名、外国語・外来語の表記、(4)音の表記に関するもの 特殊外来音の表記、(5)字の表記に関するもの 字体明朝体、ゴシック体など)、書体(楷書(かいしょ)、行書草書)、筆順、などが問題になる。

 歴史的には、宣命(せんみょう)書き、散らし書きなどの特殊なものもあった。上代では漢字の訓を用いるといった、かならずしも音韻と対応する表記ではなかったが、平安中期以降、万葉仮名から仮名が成立し、表音的に表記できるようになった。符号も、濁音符が室町時代以後右上に複点で固定し、長音符や句読点も江戸時代以降しだいに定着するなど、徐々に整えられてきた。言語の変化に伴って仮名遣いや音便(おんびん)などの特殊音の表記などが問題となるが、とくに近代以後の文字生活の発展とともに、「常用漢字」「現代仮名づかい」「送り仮名の付け方」「ローマ字のつづり方」などが、現代語の表記法上重要な問題となっている。

[沖森卓也]

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