1000の神社に参拝することを目的にする巡礼の一種。千ヵ寺詣と混交して,神社寺院の別を問わないのがふつうで,札所(ふだしよ)もとくには定めず,1000という数字にこだわるものでもない。むしろ特色になるのは巡拝者のひとりひとりがそれぞれに意匠をこらした千社札(ふだ)で,特別なくふうをほどこした長いさおの先にこれをつけ,境内の建物のあちこちに貼ってまわる。千社に参拝する風習そのものは平安時代末にもあったが,庶民信仰の興隆のなかで,天愚孔平とか江戸麴町の五吉などのグループにより都市の独特の風俗となったのは,江戸時代も中ごろ以後のことである。はじめのうちは千社札は手書きで,木版刷りにすることもなかったが,この風習が時代の気風にあったのかたちまちに大流行して,天保年間(1830-44)には禁止されたこともある。なお昭和のはじめごろまで,地方では出征兵士の無事を祈って,村の鎮守から家々の屋敷神まで手あたりしだいに参拝する千社参りがはやったこともある。
執筆者:真野 俊和
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…33は厄年や弔い上げの年忌とされ,49も忌明け,七七日(なななのか),四十九餅など葬送儀礼でよく使われる。100は百日目の食初めとか百度参りといった儀礼や祈願にみられ,1000も千社詣,千社札,千人針,千人結び,千歳飴(ちとせあめ)など縁起のよい数とされている。【飯島 吉晴】。…
※「千社詣」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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