出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
セシウム原子時計の秒を刻み,その時刻を平均太陽時(UT1)の時刻から,つねに±0.9秒以内に収めるよう国際的に管理された人工的な時刻システムである。UTCの記号で表され,世界各国標準時の基礎となっている。セシウム原子時計の進み方に比べて,平均太陽時の進み方は変動を含むばかりでなく,現在のところ1年当り約1秒の遅れ率となっている。協定世界時の時刻と平均太陽時の時刻差が0.9秒を超える見通しになると,全世界一斉に閏秒の挿入によって,協定世界時の時刻の合せ込みが行われる。協定世界時の管理は国際協定に基づいて,パリ天文台構内にある国際報時局が担当している。この協定世界時は1972年の年初から始まり,その後75年にその運用ルールに若干の改訂が加えられ現在に至っている。
執筆者:飯島 重孝
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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…この国際原子時の時刻スケールは,わずか1~2台のセシウム原子時計しか利用できなかった1955年半ばごろまでさかのぼることができる。国際原子時に閏秒による整数秒の時刻調整を行い,UT1世界時から±0.9秒以内に収まるよう管理された実用の時刻システムが協定世界時に当たる。このように国際原子時と協定世界時は共通の刻みをもち,ただ時刻だけが整数秒異なる。…
…そこでこの両者を妥協させ一体化した新しい標準時システムが国際天文学連合などを中心に検討が続けられた。この結果生まれたのが現行の協定世界時(UTC)で,72年から国際的に実施されている。これはセシウム原子時計の秒を刻み,うるう秒を適宜挿入することによって,〈UT1〉との時刻差がある決められた範囲(±0.7秒)に収まるよう人工管理された時系である。…
…標準時として日常使われている時刻システムをいう。現在は協定世界時が標準時の基礎となっているので,常用時といえばこの協定世界時を指す。これ以外の時刻システム,例えば暦表時,国際原子時などは常用時ではなく,学用時の部類に入る。…
※「協定世界時」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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