コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

士族授産 しぞくじゅさん

6件 の用語解説(士族授産の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

士族授産
しぞくじゅさん

明治新政府が旧武士層の生活救済のために行なった施策。明治4 (1871) 年の廃藩置県以後,新政府では士族の俸禄を永続的に支給できないため,秩禄処分がたびたび論議されたが,政府はその経済的没落を黙視することができず,農業あるいは商業の道につかせようと種々の保護を与えた。

本文は出典元の記述の一部を掲載しています。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉の解説

しぞく‐じゅさん【士族授産】

秩禄処分によって職を失った士族の救済のためにとられた明治政府による一連の政策。農・工・商業への転職の推進、官林荒蕪(こうぶ)地の安価での払い下げ北海道移住の奨励など。

出典|小学館 この辞書の凡例を見る
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

百科事典マイペディアの解説

士族授産【しぞくじゅさん】

明治初期の廃藩置県徴兵令秩禄処分などで失職,困窮した士族に生計の途を図った政府の施策。開墾,農工商への就業奨励,起業資金の貸付などが行われたが,多くの士族は不慣れな仕事に失敗した(士族の商法)。
→関連項目笹森儀助士族反乱

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. ご提供する『百科事典マイペディア』は2010年5月に編集・制作したものです

世界大百科事典 第2版の解説

しぞくじゅさん【士族授産】

秩禄処分によって家禄収入を失った士族を産業につかせ,生活救済を図った明治政府の政策をいう。
士族授産の前提]
 1869年(明治2)6月,維新政府は領主・公卿らを華族,諸藩の藩士・旧幕臣など従来の武士団を総称して士族,農工商身分の者を平民と称することとしたが,このころ約194万人(42万5000戸)を数えた士族の生活は一般に窮乏が進み,とくに旧幕臣や賊軍となった藩士のなかには,士族をやめ,農商などの職業につく者も少なくなかった。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

大辞林 第三版の解説

しぞくじゅさん【士族授産】

明治維新後、秩禄処分などで困窮した士族に対して政府や府県庁が行なった一連の救済策。事業資金の貸し付け、官有荒蕪地こうぶちの低額払い下げ、北海道移住の奨励など。

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

士族授産
しぞくじゅさん

明治政府の士族政策。戊辰(ぼしん)戦争、版籍奉還以降、士族の家禄(かろく)(秩禄ともいう)は大きな変動を受けた。これは1876年(明治9)の金禄公債証書発行条例によって最終的に廃止されるが、これにより多くの士族は生活の基礎を失った。一方、士族は廃藩置県と徴兵令の施行によって常職を失ったから、士族をなんらかの産業につかせ、その生活を維持させることが、社会不安を防ぐためにも必要であった。この政策を士族授産という。まず1871年に政府は華・士・卒に農・工・商の各業に従事することを許し、73年以降、家禄奉還者には就産資金を与え、土地の廉価払下げや北海道屯田兵への士族募集などの処置を講じたが、78年以後より大規模な授産政策を行うようになった。79年に計画された福島県安積(あさか)原野の国営開墾事業や、士族に交付した公債証書による国立銀行設置の奨励などはそれであるが、80年前後の反政府運動の激化への対策として、士族に対する勧業資本金の交付を拡大し、82年以降300余万円を支出し、その一部は北海道移住士族の保護にもあてられた。これらの授産政策の効果は、移住や蚕糸業に関するものを除けばみるべきものは少なかったが、間接的には近代産業の発達を助ける結果をもたらしている。80年代のうちに、士族問題は社会問題、政治問題としての重要性を失い、89年をもって授産政策もまた打ち切られた。[永井秀夫]
『吉川秀造著『全訂改版 士族授産の研究』(1942・有斐閣) ▽我妻東策著『明治社会政策史』(1940・三笠書房) ▽我妻東策著『士族授産史』(1942・三笠書房)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典内の士族授産の言及

【授産所】より

…授産事業は,身体・精神上の理由や世帯の事情により就業能力に制約のある要保護者に対して,就労や技能修得に必要な便宜を与えて,その経済的自立と安定を援助する社会福祉事業である。明治期にすでに士族授産があり,大正期の授産事業は経済保護事業の重要な分野の一つであったが,第2次大戦後の授産事業は,とくに稼働能力をもちながら就労が困難な障害者に対する施策として,低所得者対策のなかの重要な位置を占めている。社会福祉事業に名を借りて税金のがれや中間搾取を行う不良な授産事業を防止するため,社会福祉事業法により,援産施設を経営する事業は,第一種社会福祉事業として,国・地方公共団体または社会福祉法人によらなければならないこととされている。…

※「士族授産」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

士族授産の関連キーワード永世禄金禄公債秩禄公債秩禄処分鰥寡財源焦性秩禄浪士秩禄奉還

今日のキーワード

大寒

二十四節気の一つ。元来,太陰太陽暦の 12月中 (12月後半) のことで,太陽の黄経が 300°に達した日 (太陽暦の1月 20日か 21日) から立春 (2月4日か5日) の前日までの約 15日間で...

続きを読む

コトバンク for iPhone