笠置山地(読み)かさぎさんち

精選版 日本国語大辞典 「笠置山地」の意味・読み・例文・類語

かさぎ‐さんち【笠置山地】

近畿地方の中央部、滋賀京都奈良三重の各府県にひろがる山地奈良盆地上野(伊賀)盆地にはさまれる。中央部を木津川横断し、南部大和高原と呼ばれる。主峰鷲峰(じゅうぶ)山(六八五メートル)。

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デジタル大辞泉 「笠置山地」の意味・読み・例文・類語

かさぎ‐さんち【笠置山地】

奈良県京都府三重県にまたがる山地。最北端に笠置山がある。南部は大和やまと高原とよばれる。

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改訂新版 世界大百科事典 「笠置山地」の意味・わかりやすい解説

笠置山地 (かさぎさんち)

大和高原ともいう。奈良県の北東部と京都府,三重県が隣接する付近を南北にのびる山地。山地の標高は北部で200~300m,南部で500~600m,ほぼ400~500mの高原状の山地で,鮮新世初めに形成された準平原が隆起して,隆起準平原となったものである。多くの断層が見いだされ,西は三百断層(春日山断層)で奈良盆地と,北は木津川断層に沿う木津川峡谷により信楽(しがらき)山地と,南は名張断層に沿う宇陀川の河谷によって竜門山地と,東は花ノ木断層,笠間断層などの雁行する断層により上野盆地と接している。山地の地質は領家複合岩が広く分布するが,南東部に室生火山群の貝ヶ平山,額井(ぬかい)岳などがみられる。高原状の地形を利用して,広い谷底に多くの集落が立地し,水田のほか,茶園,抑制野菜の栽培などに利用されている。またゴルフ場もみられる。山地の北端にある笠置山(324m)は京都府に属し,風化しやすい花コウ岩よりなり,山腹は険しく,山頂には多くの巨岩がある。山頂の笠置寺は,平安時代から弥勒信仰の地として栄え,南北朝時代には後醍醐天皇の行在所(あんざいしよ)がおかれた。山全体が史跡名勝に指定され,笠置山府立自然公園に含まれる。山地の西部は大和青垣国定公園に指定されている。
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百科事典マイペディア 「笠置山地」の意味・わかりやすい解説

笠置山地【かさぎさんち】

京都府南東部から奈良県北東部にまたがる平均標高500mの高原状山地。中部を木津川が横断,南岸に笠置山(324m)があり,山上に笠置寺がある。
→関連項目大和川

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「笠置山地」の意味・わかりやすい解説

笠置山地
かさぎさんち

京都、三重、奈良の府県境にある山地。南北方向に隆起軸をもつ標高500メートル内外の低い地塁性山地で、起伏が少なく高原状を呈するので、南部は大和(やまと)高原ともよばれる。北は木津(きづ)川が東から西に流れ、南は初瀬(はせ)川と宇陀(うだ)川の谷によって、高見山地と境する。また奈良盆地に臨む西端部には、若草山(三笠山)、三輪(みわ)山などの史跡に富む山が多い。一部は大和青垣国定公園に含まれる。広義には、木津川以北、滋賀県側の信楽山地を含む。

[織田武雄]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「笠置山地」の意味・わかりやすい解説

笠置山地
かさぎさんち

奈良,三重,滋賀,京都の4府県境を占める地塁山地。ほぼ南北に連なり,木津川峡谷以北の信楽山地と以南の大和高原に分れるが,狭義には大和高原のみをさす。中央部を木津川が横谷をなして横切る。南岸に笠置山がある。

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