中国,西晋の土地制度。占田課田制ともよばれる。《晋書》食貨志によると晋の武帝が呉を平定し天下を統一した時点(280)で発布され,税制の戸調式とセットをなす。占田法は,第一品の50項以下逓減して十品の10項に至る官人の占田と,男子1人70畝,女子30畝,すなわち夫婦の一家で100畝の一般民の占田を含む。これは身分に応じて土地所有の上限を定めたものとみられ,漢代以来の限田政策(限田法)の定着した制であろう。同時に規定される課田制は,男子50畝,女子20畝,次丁男はこれに半ばし(25畝),公有地を割り当てて耕営させる制度とみられ,前代の魏の民屯田の廃止にかわるものと解される。ただ晋はほどなく永嘉の乱や八王の乱で国内が混乱し,かような土地制度が永く行われる条件は存しなかった。したがって占田課田の実施を示す史料もほとんどなく,〈食貨志〉の短い文言の解釈に異論百出の状態にある。
執筆者:池田 温
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