日本大百科全書(ニッポニカ) 「双海」の意味・わかりやすい解説
双海
ふたみ
愛媛県中部、伊予郡にあった旧町名(双海町(ちょう))。現在は伊予市の西部を占める地域。伊予灘(なだ)に面す。旧双海町は、1955年(昭和30)上灘(かみなだ)町と下灘村が合併して成立。2005年(平成17)中山町とともに伊予市に合併。町名が難読であることから一時、伊予灘町への改名をめぐる住民運動もおきた。JR予讃(よさん)線、国道56号、378号が通じる。西部は中央構造線に沿った断層海岸が続き、漁村が点在する。古くからイワシ漁業が行われ、中心地区の上灘は漁業の基地ともなっている。下灘地区は底引網漁業が盛んで、豊田漁港には漁民住宅団地がある。山地ではミカン栽培のほか、断層崖(がい)の南側の傾斜地ではタバコや米の栽培がみられる。松山市の通勤圏に入る。
[横山昭市]
『『双海町誌』(1971・双海町)』▽『『双海町誌 改訂版』(2005・双海町)』