可部(読み)かべ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「可部」の意味・わかりやすい解説

可部
かべ

広島市の北郊安佐北(あさきた)区の中心地区。旧可部町で、かつては安佐郡の中心であった。今日でも区役所などの官公署が立地する。JR可部線、国道54号、191号が通じる。太田川の谷口集落で、根之谷(ねのたに)川、三篠(みささ)川の合流点に近い。近世には広島城下出雲(いずも)、石見(いわみ)を結ぶ街道の分岐点にあたり、宿場町市場町、さらに太田川水運の河港として栄えた。付近には中世三入庄(みりのしょう)の地頭熊谷(くまがい)氏の拠(よ)った高松城跡(県史跡)や、真言宗古刹(こさつ)福王寺がある。また、広島文教女子大学がある。

[北川建次]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「可部」の意味・わかりやすい解説

可部
かべ

広島市北部,安佐北区の一地区。旧町名。雲芸街道に沿う旧宿場町,芸北山地を控えた谷口集落で,市場町の役割も果した。 1965年頃から急速に住宅地化が進み,72年広島市に編入。 80年区制施行に伴い,安佐北区の区役所の所在地となる。たたら製鉄の伝統を継ぐ鋳物清酒などのほか,食料品,金属,機械などの工場が立地。太田川河畔の柳瀬峡谷,揚水式ダム発電の行われる南原峡 (なばらきょう) ,福王寺などがある。南原峡周辺は南原峡県立自然公園に属する。

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百科事典マイペディア 「可部」の意味・わかりやすい解説

可部【かべ】

広島県広島市安佐北区の一地区。安佐郡の旧町。太田川左岸の中心市街地可部は水運と,出雲・石見(いわみ)への街道が分岐する交通の要衝として発達,可部線の終点で,広島市街から県内陸部への入口に当たる。古くから鋳物・酒造工業が盛んで,住宅地化と企業の進出著しい

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