右院(読み)ウイン

デジタル大辞泉 「右院」の意味・読み・例文・類語

う‐いん〔‐ヰン〕【右院】

明治4年(1871)の官制改革で太政官内に設置された機関各省長官次官構成され、行政上の連絡機関として、実務利害を審議した。明治8年(1875)廃止

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精選版 日本国語大辞典 「右院」の意味・読み・例文・類語

う‐いん‥ヰン【右院】

  1. 〘 名詞 〙 役所名。明治四年(一八七一七月左院とともに太政官に置き、各省の長官および次官が集会して、担当法案を草したり行政実際の利害を審議したりした所。明治八年四月、元老院設立とともに廃止。

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百科事典マイペディア 「右院」の意味・わかりやすい解説

右院【ういん】

1871年太政官制改革で太政官内に置かれた諮問機関。各省の長官・次官で組織され,事務を審議した。のち正院に属する参議が各省の長官を兼任するようになったため意義が薄れ,1875年廃止。→正院左院
→関連項目太政官(明治時代)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「右院」の意味・わかりやすい解説

右院
ういん

廃藩置県に伴い,明治4 (1871) 年7月 29日に制定された太政官職制に基づき設置された明治政府行政部門の最高審議機関。各省の長官,次官で構成され,各省の管轄事項に関する法案を審議し,正院からの下問に答申するものとされた。実際にはほとんど活用されず,1875年,元老院,大審院が設置されると廃止された。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「右院」の解説

右院
ういん

明治初年の中央行政機関。1871年(明治4)7月,太政官に正院・左院とともに設置。各省の長官・次官(卿・輔)が集会して行政事務の実際を審議するところとされた。右院から上達した施政の事務は正院が裁決した。73年5月の太政官職制章程の改正で正院の権限が拡大し,右院の権限は縮小した。75年4月,左院とともに廃止。

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旺文社日本史事典 三訂版 「右院」の解説

右院
ういん

明治初期の太政官内の各省の諮問機関
1871年廃藩置県後の官制改革により,太政官は正院・左院・右院の3院制となり,右院は各省の長官(卿)・次官(輔)で構成。法案の起草,各省の議事の審議・調査などが行われた。'75年廃止。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「右院」の意味・わかりやすい解説

右院
ういん

左院・右院

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世界大百科事典(旧版)内の右院の言及

【太政官】より

…ついで廃藩置県(1871)後の官制改革により同制度は3院8省制に改められた。すなわち天皇臨席のもとで政務をとる正院,立法府に相当する左院,各省の高官が事務を審議する右院の下に,大蔵・兵部・宮内・外務の4省と70年に新設の工部省,それに神祇・文部・司法の3省を加えて,合計8省が設置された。その後,征韓論による政府内部の抗争の影響で太政官制の部分的改革があり,参議が各省の長官を兼任するようになり,75年には左右両院に代わって元老院と大審院が開設され,正院はその2年後に廃止された。…

※「右院」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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