正院(読み)せいいん

  • しょういん シャウヰン
  • しょういん〔シヤウヰン〕
  • せいいん ‥ヰン
  • せいいん〔ヰン〕

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

明治4 (1871) 年7月 14日に廃藩置県が断行された結果,同月 29日の官制改革太政官左院右院とともに設けられた機関。3院のなかで正院が中枢的地位を占めたので,正院のことを太政官と呼んだこともある。正院はのちの内閣に相当し,太政大臣納言 (まもなく左右大臣と改まる) ,参議をおいた。天皇輔翼のを有するのは太政大臣と左右大臣だけであったが,1873年に参議の合議体を内閣と呼ぶようになった。左右両院は 75年に廃止されたが,正院の廃止されたのは 77年である。太政官には正院のみが残っていたので,特に正院の呼称を用いる必要がなくなったためである。

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百科事典マイペディアの解説

〈しょういん〉とも。1871年太政官職制発布後の最高機関。従来の太政官を分け,正院,左院右院の三つとし,政務を執る正院は従来の太政官に相当,太政大臣・納言・参議をもって構成。1873年改正され,さらに権限が強化,天皇輔弼(ほひつ)の責任が明らかにされた。1877年廃止。
→関連項目三院制

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

明治初年の最高官府たる太政官(だじょうかん)の中枢機関。1871年(明治4)7月29日、廃藩置県の断行に対応して太政官制が根本的に改革され、太政官には新たに正院、左院(さいん)、右院(ういん)の三院が設けられた。正院は、天皇が親臨して万機を総判し、国務施政を統轄するところと規定され、他の二院に優越して立法・行政・司法三権の事務に対する最終的決定権をもつとされ、太政官三院中最高の地位にたつ機関であった。主要構成員は、太政大臣、納言(なごん)(のち左右大臣)、参議の三職で、太政大臣が天皇補弼(ほひつ)の最高責任者となった。その後、73年5月2日の改革で、正院の権限はいっそう強化、拡大された。さらに75年4月14日、漸次立憲政体樹立の詔により元老院、大審院が創設され、左右両院は廃止されて太政官には正院のみが存置されることになった。77年1月18日、正院の称は廃止された。

[吉井蒼生夫]

『鈴木安蔵著『太政官制と内閣制』(1944・文松堂書店)』『吉井蒼生夫著『中央権力機構の形成』(福島正夫編『日本近代法体制の形成 上』所収・1981・日本評論社)』

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 明治四年(一八七一)七月二九日、太政官の中に設け、天皇が親臨して万機を総判し、太政大臣、納言がこれを補弼(ほひつ)し、参議がこれに参与して庶政を取り締まった所。同一〇年一月一八日に廃止。しょういん。

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旺文社日本史事典 三訂版の解説

明治初年の太政官内の最高機関
1871年,廃藩置県後の太政官制の改革により設置され,左院・右院とともに三院制を構成。太政大臣・納言(のち左右大臣)・参議を置く。'77年廃止。

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世界大百科事典内の正院の言及

【参議】より

…副島種臣,前原一誠についで大久保利通,広沢真臣,佐々木高行,斎藤利行,木戸孝允,大隈重信ら薩長土肥4藩の代表者が任命され,しだいに権限を握った。71年の廃藩置県直後における7月29日の官制改革で,正院,左院,右院の3院が設置されるや,参議は最高官庁としての正院にあって太政大臣,左・右大臣をたすけて国政の機務に参画した。73年5月2日,内閣議官として天皇輔弼(ほひつ)の大臣と分離し,明治6年10月の政変後は,各省の長官を兼任し(10月25日),また,成員も増やされた。…

【太政官】より

…ついで廃藩置県(1871)後の官制改革により同制度は3院8省制に改められた。すなわち天皇臨席のもとで政務をとる正院,立法府に相当する左院,各省の高官が事務を審議する右院の下に,大蔵・兵部・宮内・外務の4省と70年に新設の工部省,それに神祇・文部・司法の3省を加えて,合計8省が設置された。その後,征韓論による政府内部の抗争の影響で太政官制の部分的改革があり,参議が各省の長官を兼任するようになり,75年には左右両院に代わって元老院と大審院が開設され,正院はその2年後に廃止された。…

※「正院」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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