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合理的期待形成仮説 ごうりてききたいけいせいかせつ rational expectation hypothesis

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

合理的期待形成仮説
ごうりてききたいけいせいかせつ
rational expectation hypothesis

R.ルーカスや T.サージェントらによって新しく展開されたマクロ経済学における一学説。合理的期待とは,人々が利用可能な情報を効率的に使うことによって形成される期待のことであり,平均的な意味で正確であり,システマティックな間違いのない期待のことである。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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知恵蔵2015の解説

合理的期待形成仮説

1970年代末、米国の経済学者ルーカスサージェントなどによって主張されたもので、政府が裁量的経済政策を行ったとしても、企業も個人も、その結果を正しく予想し行動するところから、その政策は無に帰すとした仮説。マネタリズムが、ケインズ的金融、財政政策は長期的には成功しないとしたのに対し、合理的期待形成仮説は短期的にも成立しないとした。この理論は期待の役割を導入し、数学式を多用し、計量モデルを批判したが、その基礎前提があまりにも現実から離れ、経済学の虚構性をいっそう拡大した。

(荒川章義 九州大学助教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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百科事典マイペディアの解説

合理的期待形成仮説【ごうりてききたいけいせいかせつ】

人びとが利用可能なあらゆる情報を用いて合理的に予想するとき,期待値に関しては正しい予想ができるという前提に立つ学説。合理的期待仮説ともいう。サージェントT.J.SargentやルーカスR.Lucasに代表され,1970年代に入ってから米国で大きな影響力をもち,ケインジアンの財政金融政策の有効性に対して,短期的に人びとは政府の政策の帰結を的確に予想し行動するから,政府の期待通りの効果は保証されない,と批判した。

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世界大百科事典 第2版の解説

ごうりてききたいけいせいかせつ【合理的期待形成仮説 rational expectations hypothesis】

経済理論に関する一つの考え方で,1970年代に入ってから,とくにアメリカの諸大学で大きな影響力をもつようになってきた。合理的期待仮説ともいう。近代経済学の基礎には,市場経済を構成する個別的な経済主体(個人)が,さまざまな制約条件のもとで,利用しうる限りの資源と情報とをできるだけ有効に使って,みずからにとって最も望ましい結果をもたらすような行動を選択するという前提が置かれている。合理的期待形成仮説はさらに一歩進んで,現在だけでなく将来の市場条件,とくに均衡市場価格について,人々がその客観的確率分布を正確に知っていて,その数学的平均値に等しくなるように期待を形成し,最適化の行動を行うという前提を仮定する。

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世界大百科事典内の合理的期待形成仮説の言及

【インフレーション】より

…つまり,自然失業率においては,期待物価水準と現実の物価水準とがつねに一致していることになる。 この自然失業率仮説(あるいは合理的期待形成仮説)は,二つの重要な政策的な意味をもつ。第1には,少なくとも長期的には,失業率を自然失業率以下に引き下げようとする政策は成功する可能性がきわめて小さい,ということである。…

【スタグフレーション】より

…すなわち経済政策では,有効需要のコントロールを積極的に行うというケインズ的な考え方は後退し,均衡財政と通貨量の安定的な増加を主眼とし市場経済の自律性にゆだねるマネタリスト(マネタリズム)的な考え方が有力となった。また理論面では,期待インフレ率の役割が重視されるようになり,自然失業率仮説や,合理的期待形成仮説を生んだ。 現在ではスタグフレーションは,期待インフレ率の上昇により起こるものと考えられている。…

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