デジタル大辞泉
「吉備大臣入唐絵詞」の意味・読み・例文・類語
きびだいじんにっとうえことば〔きびダイジンニツタウヱことば〕【吉備大臣入唐絵詞】
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精選版 日本国語大辞典
「吉備大臣入唐絵詞」の意味・読み・例文・類語
きびだいじんにっとうえことば‥ニッタウヱことば【吉備大臣入唐絵詞】
- 鎌倉時代初期の絵巻。紙本着色。一巻。一説にもと二巻本。現在は、四巻の巻子本の体裁をとる。遣唐使として入唐した吉備真備(きびのまきび)が、唐の朝廷から多くの難題を出されその才芸を試されるが、安倍仲麻呂の霊の助けによって、たくみに難題を切りぬけたという説話を主題にしている。筆者不詳。ボストン美術館所蔵。
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吉備大臣入唐絵詞 (きびだいじんにっとうえことば)
奈良時代の学者官僚吉備真備(きびのまきび)が遣唐使として入唐したときの不思議な説話を1巻(現在は4巻に分離)6段に描いた絵巻。制作は12世紀末から13世紀初と考えられる。同じ説話は大江匡房の《江談抄》にあり,この絵巻ももとはさらに帰国までの話を描いた1巻があったと思われる。内容は,唐土に着くなり高い楼上に幽閉された真備のところに,阿倍仲麻呂の霊が化した鬼が現れ,真備の威に服して助力を約束する。唐人は真備の才学を試すため,《文選》の解読,囲碁の勝負の難題を課するが,そのたびに仲麻呂の幽鬼に助けられて切り抜けるというもの。画面は唐土の風物を巧みに描いて平安時代の唐絵の系統をうけついでいるが,各段とも高楼から唐の王宮までを同一パターンで何度も繰り返すなど変化に乏しく,唐人を描く抑揚のある筆致や鮮やかな彩色なども《伴大納言絵巻》の技法と共通性はあるが,やや表現の崩れや硬さがみられ,先行作品の存在が想定される。ボストン美術館所蔵。
執筆者:田口 栄一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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「吉備大臣入唐絵詞」の意味・わかりやすい解説
吉備大臣入唐絵詞【きびだいじんにっとうえことば】
鎌倉初期の絵巻。遣唐使として入唐した吉備真備(きびのまきび)が阿倍仲麻呂の霊の助けで次々と難問を解く話。描線,色彩ともにすぐれ,流暢(りゅうちょう)な描線は《伴(ばん)大納言絵詞》と同系統のもの。
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